「クラウドはコスト削減の大きな武器」ローソン 横溝陽一・常務執行役員CIO ITステーション ディレクター![]() ローソンの横溝陽一・常務執行役員CIO ITステーション ディレクター
写真撮影:北山 宏一 ローソンは2008年から「ローソン3.0」と呼ぶ次世代IT(情報技術)システムの構築を順次進めている(関連記事1、関連記事2)。初期投資額は約400億円を見込む。 全国に約8600店ある店舗と本部、取引先の情報連携を強化。店舗発注の精度向上や商品開発・仕入れなどに鮮度の高い情報を生かせる体制を整える。2008年末から設置を始めた最新型店頭端末「赤いLoppi(ロッピー)」など、ローソン3.0は少しずつ姿を現し始めた。 これを指揮する横溝陽一・常務執行役員CIO(最高情報責任者)ITステーション ディレクターは2007年4月にローソンに入社したばかりだ。「深刻な消費不況が続いており、継続的に経営改革をしなければ生き延びることができない」と厳しい口調で語る。ローソン入社前は、米系サプライチェーン管理(SCM)ソフト会社のi2テクノロジーズ・ジャパン(東京都渋谷区)で社長を務めていた。外部の目から大胆にIT戦略の見直しを図ったわけだ。 当初の構想では、ローソン3.0の初期投資額は約500億円だった。横溝氏はこれを2割削減する方策を探った。ただし「○%値下げしてほしい、といった交渉をいくらしても、さほどコストは下がらない」というのが横溝氏の考えだ。機器購入をメーカーとの直接取引にする、障害が少ない機器の保守契約を削るなど、取引上の細かな工夫を積み上げた。 さらに「クラウドコンピューティング」など新しいアーキテクチャーの導入も積極的に検討し、コスト削減につなげている。例えば、社内情報共有のためのグループウエアは、セールスフォース・ドットコム(東京都港区)のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「Force.com」をベースに構築した(関連記事)。「新技術の導入に挑戦することで、ITベンダーと我々が一緒に“夢を見る”ことも重要だ」と横溝氏は話す。 新しい情報システム関連組織の在り方も模索している。ローソン3.0では既存システムに比べてデータ容量は飛躍的に拡大した。ポイントカード「ローソンパス」などを通じて収集される顧客別購買情報などを格納するデータ・ウエアハウスの容量は50テラバイト(テラは1兆)規模になる。これを徹底的に分析するため、「インテリジェンス・コンピテンシー・センター(ICC)」と呼ぶ情報分析専門組織を設置した。「小売業は変化が激しい。消費者の動向を早期に感じ取って自らが変化できる組織になることが必要だ」と横溝氏は強調する。
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