問題

問27 翌月の製造量は,翌月の販売見込量-当月末の在庫量で算出される。翌月の販売見込量が,当月までの3か月の販売実績量の移動平均によって設定されるとき,9月の製造量の算出式を示したものはどれか。

ア 
イ 
ウ 
エ 

ストラテジ系>企業と法務>企業活動>OR・IE

解説と解答

 この問題では,翌月の製造量は,

翌月の製造量=翌月の販売見込量-当月末の在庫量

で算出されます。翌月の販売見込量を求めるときに用いられる移動平均とは,時系列に(古いものから新しいものの順に)並んだデータにおいて,あるデータを中心にその前後にあるデータの値を用いた平均値のことです。移動平均を利用すると,曜日,週,月などによる需要の変動やばらつきをなくすことができます。

 この問題では,翌月の販売見込量は当月までの3か月の販売実績量の移動平均によって設定されるので,これを式で表すと,

翌月の販売見込量=(前々月の販売実績量+前月の販売実績量+当月の販売実績量)/3

となります。翌月9月の販売見込量は,前々月6月のC,前月7月のE,当月8月のGの3か月の販売実績量の移動平均を求めればよいので,

9月の販売見込量=(C+E+G)/3

になります。また,8月末の在庫量はHです。したがって,翌月9月の製造量の算出式を示すと,以下のようになります。

9月の製造量=(C+E+G)/3-H

 なお,時系列に並んだ各データの移動平均を求め,それをプロットしてデータの全体的な傾向を分析する手法を移動平均法といいます。移動平均法による時系列データの分析は実務でもよく行われるので,移動平均の求め方についてはぜひ理解しておきましょう。

 以上より正解は,選択肢イです。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て,1998年より現職。保持する資格は,プロジェクトマネージャ,テクニカルエンジニア(ネットワーク),同(情報セキュリティ),基本情報技術者など多数。著書に「短期完全マスター ITパスポート 2009年版」などがある。