問題

問12 キャッシュメモリに関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア 書込み命令を実行したときに,キャッシュメモリと主記憶の両方を書き換える方式と,キャッシュメモリだけを書き換えておき,主記憶の書換えはキャッシュメモリから当該データが追い出されるときに行う方式とがある。
イ キャッシュメモリにヒットしない場合に割込みが生じ,プログラムによって主記憶からキャッシュメモリにデータが転送される。
ウ キャッシュメモリは,実記憶と仮想記憶のメモリ容量の差を埋めるために採用される。
エ 半導体メモリのアクセス速度の向上が著しいので,キャッシュメモリの必要性は減っている。

テクノロジ系>コンピュータシステム>コンピュータ構成要素>メモリ

解説と解答

 この問題は,キャッシュメモリの処理内容について問う問題です。

 それぞれの選択肢を見てみましょう。

 選択肢アは,キャッシュメモリに関する正しい記述です。書込み命令を実行したときにキャッシュメモリと主記憶の両方を書き換える方式をライトスルー方式と言います。また,キャッシュメモリだけを書き換えて主記憶の書換えをキャッシュメモリから当該データが追い出されるときに行う方式をライトバック方式と言います。

 選択肢イの記述は間違いです。キャッシュメモリにヒットしない場合は,割り込みではなく,ハードウェア処理により主記憶からデータが転送されます。

 キャッシュメモリは,主記憶とプロセッサの処理速度の差を緩和するための装置です。そのため選択肢ウの記述も誤りです。

 また,半導体メモリのアクセス速度は向上していますが,それ以上にプロセッサの処理能力が向上しているので,キャッシュメモリの重要性は以前よりも増しています。そのため選択肢エの記述も間違いです。

 従って,正解は選択肢アです。

佐塚 彰夫(さづか あきお)
アイティ・アシスト 代表取締役
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストの代表。新人研修やプロジェクトマネージャ育成研修をはじめ,基本情報技術者試験,応用情報技術者試験,プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「短期完全マスター 基本情報技術者 2009年版」などがある。