「外出先や出先でも自宅やオフィスと変わらない高速なデータ通信を実現する」――伝送速度が10Mビット/秒を超える移動体データ通信サービス「モバイル・ブロードバンド」の実用化が加速しています。この7月には,モバイル・ブロードバンドの主要技術の一つである「モバイルWiMAX」を利用した商用サービスが始まりました。これに続くのが「XGP」と「LTE」です。本コラム「モバイル・ブロードバンド早わかり技術講座」では,XGPを推進するウィルコムと,LTEを推すNTTドコモの技術者が,それぞれの技術の核心をていねいに解説します。

●ウィルコムのXGP編

船吉 秀人(ふなよし ひでと)
ウィルコム 技術企画部
次世代企画グループ 課長補佐
1997年にDDI東京ポケット電話(現ウィルコム)入社。PHS基地局/端末やそれにかかわるデバイスなどの開発と,メール・センターなどインフラ設備の企画業務に従事したのち,2004年よりXGPの標準規格化ならびに各種実験計画の担当となり規格化を推進。そののち,WILLCOM CORE XGPのシステム・デザインを手掛ける。現在,XGPシステム開発の統括管理を担当し,XGPフォーラムでの「XGP2.0」標準化メンバーも務める。

●NTTドコモのLTE編

保田 佳之(やすだ よしゆき)
NTTドコモ 無線アクセス開発部 部長
1984年日本電信電話公社入社。移動体衛星通信方式の研究に従事したのち,1993年NTTドコモ勤務。以後PDC向け無線制御装置,FOMA向け無線制御装置の開発を行う。HSDPAをはじめとしたFOMA高機能化・新装置開発の責任者を経て,2008年より現職。LTE,フェムト基地局,衛星などを含む無線系全般の開発を担当。