前回取り上げた加賀屋の訪問と同時に、筆者は石川県七尾市にある恵寿総合病院を見学した。病院がある能登半島は全長が100kmで人口は22万人。65歳以上の人口比率を示す高齢化率は北部で36.6%、恵寿総合病院がある中部で28.1%。一方で日本の2025年の高齢化率は30%と予測されている。つまり、能登は高齢化と過疎化の先行地域だ。
恵寿総合病院グループは医療とリハビリ、介護、身体障害者支援、特別養護老人ホームを経営し、住民の健康サポート面では七尾市から「けいじゅアスロン」という大型クアハウスの運営を受託している。能登最大の医療・介護機関であり、同時に地域最大の事業所でもある。ちなみに加賀屋は2番目に大きい事業所で、両者で温泉観光とがん健診を組み合せたツアーの提供もしている。
恵寿総合病院グループは幅広いヘルスケアサービスを提供するだけでなく、自らのサービス領域を超えて地域医療関連機関との連携を深めている。能登にある100の医療関連機関とネットワーク化を進め、22万人の住民のうち、20万人の個人情報をデータベースで共通管理している。