問題
問14 売価が20万円の新商品を売り出して,8,000万円を売り上げた。固定費は4,000万円であり,利益は2,000万円のマイナスであった。利益をマイナスにしないためには,あと何個以上売る必要があるか。
ア 100
イ 200
ウ 400
エ 800
解説と解答
このような損益分析の問題では,商品の製造や販売にかかる費用を変動費と固定費に分けて考えます。変動費は商品の売上高や販売数量に比例して増減する費用で,固定費は商品の売上高に関係なく,一定の金額が発生する費用です。解答は,以下の2ステップで考えるとよいでしょう。
(1)商品1個当たりの変動費と限界利益
売価20万円の商品を売り出して,8000万円を売り上げたので,このときの売上個数は以下のようになります。
売上個数=8000万円÷20万円=400[個]
商品1個当たりの変動費をa万円とすると,8000万円を売り上げたとき(商品を400個売り上げたとき)の変動費は400×a万円です。ここで,利益,売上高,固定費,変動費には「利益=売上高-(変動費+固定費)」という関係があることを思い出しましょう。固定費は4000万円,利益は2000万円のマイナスなので,これを前述の関係式に代入すると,
-2000万円=8000万円-(400×a万円+4000万円)
という式が導き出せます。これを解くとa=15万円となり,商品1個当たりの変動費は15万円,商品1個当たりの限界利益(売上高から変動費を差し引いたもの)は20万円-15万円=5万円です。
(2)利益をマイナスにしないために必要な売上個数
売上個数が400個のときの利益は2000万円のマイナスで,商品1個当たりの限界利益は5万円です。したがって,利益をマイナスにしないためには,あと以下の個数を売ればいいよいことがわかります。
必要な売上個数=2000万円÷5万円=400[個]
損益分析の問題では,費用を固定費と変動費に分けることと,利益と費用の間には,
利益=売上高-費用=売上高-(変動費+固定費)
という関係があることは,ぜひ覚えておきましょう。
以上より正解は,選択肢ウです。
アプリケーションデザイナー 代表取締役