今回は,「コミュニケーション能力」「スキル」など,6つの領域の知識について解説していきます。

知識4 コンテンツ&デザイン知識

 制作現場からあがってくるコンテンツやデザイン成果物に対して,正しい判断を下すためには,コンテンツおよびデザインの知識が欠かせません。コンテンツとなる情報を把握し,理解しておくこと。そして,デザイン的なセンスや知識を日頃から養い,蓄積しておくことが必要です。また,メンバーが話す言葉がわからなくては,的確な判断ができませんから,必要最低限の単語やセンテンスは習得しておきましょう。

知識5 パーソナリティ

 さまざまな能力や知識をすべて兼ね備えた,理想的なWebプロデューサーといえる人物は数多くありません。肝心なのは,求められる能力や知識を会得しようと努力する「気持ち」です。Webプロデューサーとして「こうありたい」という信念を持ってプロジェクトに臨む姿勢が,メンバーの意識向上を図り,団結して目的に向かう大きな原動力となるのです。

 多くのメンバーを牽引していくためには,「人間的な魅力」が欠かせません。どれほど高いスキルや豊富な知識を備えていても,それだけでは人の心を動かすことはできないのです。Webプロデューサーとして魅力あるパーソナリティがなくては,プロジェクトを統率することができません。

 個々のメンバーは「各分野のプロフェッショナル」であることを常に意識して,任せるべき判断は委任する。そうしてスムーズな作業環境を整えていくと,メンバーは自分たちが持っている最大限の能力を発揮できるようになります。結果的に,皆から信頼を寄せられる存在となり,リーダーの資質が形成されるのです。

 仕事のうえでは辛く苦しい状況も発生します。しかし,自らがポジティブな意識を持って「楽しく」仕事に向かうことで,メンバーたちの気持ちまでも前向きにすることができるでしょう。魅力的なパーソナリティを持っていると,次のプロジェクトの際にもメンバーが好意的に集まってくるようになり,より高品質なプロジェクトの推進が可能になります。

知識6 リーダーシップ

 プロジェクトリーダーでもあるWebプロデューサーは,情報を迅速に,正確に収集し,メンバー全員にわかりやすく適切にフィードバックし,それらを共通認識として理解させなければなりません。それには,チーム内の意識統一とプロジェクトを円滑に推進するリーダーシップスキルが必要です。前述のパーソナリティとも深くかかわりますが,最短距離でゴールに向かうために皆を結束する「求心力」が必要です。時には先頭に立って,時には中心となって,時には後方から後押しするようなリーダーシップが求められます。