情報システム

電子行政:ケーススタディ

日経BPガバメントテクノロジー

大田区、業務システムを統合した「職員ポータル」構築

 大田区が、ウェブベースの「職員ポータル」に既存の業務システムを統合中だ。従来はシステムごとに端末が別々だったが、新システムではポータルにログオンすれば業務システムも利用可能なシングルサインオンの仕組みを構築した。現在、福祉総合システムや財務会計システムなどがシングルサインオン環境に移行済み。シングルサインオンでないシステムも、ポータル画面から呼び出して利用できるようになっている。こうしたシステムも順次、シングルサインオンに移行していく計画だ。

個人認証にICカードの職員証を活用

写真1●システムの開発・運用を担う情報システム課の茂木和弘氏、大越勝広氏、長沢和彦氏(左から)
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 一般に、シングルサインオン環境の場合、セキュリティ・レベルの異なるシステムでも同レベルでの運用になる。このため、パスワードの頻繁な変更など運用を厳しくする必要があるが、すべてのユーザーに徹底することは難しい。大田区では、こうした問題を解決するために、ICカードの職員証を活用した。パソコンに接続したカードリーダーに、このカードを差し込むことでログオンするようにしたのだ。これならば、職員証を持たないユーザーはシステムを利用できないし、パスワードの漏えいといったリスクも回避できる。
 ポータルのシステム基盤には、サイボウズのグループウエア「ガルーン」を採用。認証部分の仕組みは、大田区と日本総研が共同開発した。

システム統合基盤を独自に開発

写真2●ICカードの職員証でユーザーを認証
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 職員ポータルの構築は、2003年から策定を始めた「システム最適化プロジェクト」の一環である。このプロジェクトは、ITを活用して区民サービスの向上を目指すものだ。この中で、職員の協業を推進するために職員ポータルの導入を決めた。

 システム最適化プロジェクトに着手した際、大田区には約80のシステムが存在していた。この運用が大きな負担となっていた。特にホストコンピュータで稼働するシステムでは、ほかのシステムと情報を連携させようとすると、「システム導入経費の半分くらいのコストが必要となっていた」(経営管理部情報システム課の長沢和彦・情報システム担当係長)。

 そこで、新たにEA(エンタープライズ・アーキテクチャ)の考え方を取り入れた「システム統合基盤」を独自に開発。1台のパソコンから、すべてのシステムをワンストップで利用できる環境を構築した。この基盤の「窓口」であり、職員の協業を推進する要が職員ポータルなのである。

 職員ポータルは、大田区役所のほかに、公立学校や児童館、保育園からも利用可能。区全体の情報共有基盤としての役割を担うのだ。

(吉川 和宏=日経BP ガバメントテクノロジー)  [2009/07/07]

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