ここまでの連載では,TwitterやSNSなど,さまざまコミュニケーション・ツールを取り上げてきた。今回は基本に立ち返り,メールを使ったコミュニケーションのちょっとしたコツ(Tips)をまとめてみよう。

1.「お疲れさまです」には「お疲れさまです」を返す

 同僚や上司に出すメールの冒頭に,「お疲れさまです」の一言を書き加えることは多い。例えば,

岡島です。お疲れさまです。

 このような感じだ。この「お疲れさま」は無駄であり,不要であるという意見は多い。形式的で,心がこもっていないという意見もあり,ちょっとした議論になることすらある。

 筆者もこれまで,書く時期があったりまったく書かない時期があったりを繰り返してきたが,最近では次のシンプルなルールに従っている

●書いてくる相手には,書いて返す

 人の考え方は様々だ,組織の文化・風土によっては「お疲れさまです」は朝の挨拶同様,メールにも付けて当然だという考え方も根強い。このような環境においては,一言加える手間を惜しむ必要はないだろう。相手が「お疲れさまです」と書いてくれるなら,こちらも「お疲れさまです」と返してあげよう。

●本当に「お疲れさま」と感じている相手には書く

 「お疲れさま」を書かない文化であっても,本当に相手にそういう思いがあるのなら,その気持ちを言葉で表現しよう。もちろん,「お疲れさま」という言葉でなくてもよい。「いつもありがとうございます」でも「毎日遅くまでご苦労さまです」など,素直に気持ちを言葉にしよう。

2.要件のみメールには超短文で返す

 上司や先輩相手には,気を使って形式的なメールを送りがちだ。Yes・Noを返すだけの返答メールなのに,相手のメールを長々と引用したり,くどくどと前振りを書いたりする必要はない。結論を1行で書いてしまって構わない。相手は新幹線から携帯電話を使ってメールを読む可能性もある。本当に要件だけを伝える場合は,ごくシンプルに返してあげるのも気遣いなのだ。極論すれば「分かりました!」の一言だけでもよい(ただし,形式にこだわる人に送る場合には注意しよう)。

3.複数の相手に送信する場合は名指しする

 メーリングリストなど,複数の相手が読むメールでも,特定の相手からの回答が欲しい場合は多い。プロジェクトのメーリングリストでは,そのようなシチュエーションがよくある。

 このような場合に,「誰に回答してほしいのか」を指定しないメールをたまに見かけるが,これは「誰にボールが投げられたのか」があいまいになってしまう。当たり前のようだが,冒頭に「●●さん,」と名指しすることを忘れないようにしたい。

4.「お礼だけ」のメールにバリエーションがもたせる

 何かメールでお願いごとをしたとき,そのお礼のメールを書くことは多い。

山田さん,
岡島です。お疲れ様です。
送付,ありがとうございました。
以上です。

 これでも問題はないが,味気ない。これなら無駄な返信だと思われても仕方がない。代わりに,一言,1行で感謝の気持ちを伝えたらどうだろう。

岡島です。いつも助かります!

 これで十分気持ちは伝わるだろうし,受け取り手もホッとするのではないだろうか。筆者は,相手によってメッセージを使い分けるようにしている。筆者は「どうも!」や「Thanks!」などといったシンプルなものもよく使っている。