山下 眞一郎/富士通九州システムズ 基盤ソリューション本部
ネットソリューション部 担当部長

 ある企業のシステム管理者から,『Windows Vista SP2の提供が始まっているが,そもそも企業内のクライアント・パソコンにVista SP2は早急に適用した方がよいのか?それとも急がなくてもよいのか?アドバイスしてほしい』と相談を受けました。

 Windows VistaおよびWindows Server 2008のService Pack 2の日本語版が5月27日にリリースされました。Windows Updateやダウンロードセンターから入手可能です。原稿執筆時点の2009年6月26日時点では,Windows Updateでは重要な更新プログラムとして表示され,Windows自動更新(AU)として配布開始されている状況ではありません。一定の期間を経過後に,Windows自動更新(AU)として配布が始まる見込みです。

写真●Vista SP2の更新プログラム表示
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  • VistaとServer 2008のSP2日本語版が登場(2009/05/27)
  •  Windows Server 2008 SP2およびWindows Vista SP2は,提供済み更新パッチの累積提供と,新機能の提供という二つの観点があります。

     まず,Windows Server 2008 SP2およびWindows Vista SP2で累積されて提供されるパッチの内容は,「Windows Server 2008 SP2およびWindows Vista SP2に含まれる修正プログラムおよびセキュリティ更新プログラム」に記載されています。

     累積された更新パッチの一覧を確認したところ,全部で837個存在します。Service Packでしか提供されない個別のパッチは存在しません。

     次にWindows Server 2008 SP2およびWindows Vista SP2で提供される新機能の一覧は,マイクロソフトのリリース文である「Microsoft Windows VistaおよびMicrosoft Windows Server 2008 Service Pack 2日本語版を5月27日より提供開始」に記載されている内容が一番整理されています。そこでは,主な追加機能や機能向上して以下の9点がピックアップされています。

  • Bluetooth v2.1サポートと最新Windows Connect Nowを含むWindows Vista Features Pack for Wirelessとの統合
  • Windows Search 4.0による検索性能の向上と,グループポリシーによるより詳細な管理機能
  • SP2によってアップデートされたファイルを削除し,ハード・ディスクの容量圧迫を抑制する Service Packクリーンアップツールの搭載
  • 互換性のないドライバがある場合にSPのインストールを停止する機能
  • 電源管理設定の向上
  • WindowsサイドバーのRSSフィードのパフォーマンスと応答性の向上
  • ワイヤレス接続環境化におけるハイバネーションからのレジューム復帰の高速化
  • Windows VistaおよびWindows Server 2008がホストしているプリンタに対して,プリント・サーバーおよびスプーラのパフォーマンス向上
  • 仮想化機能“Hyper-V正式版”の同梱