ご存じのようにIT業界でクラスある一部の人々は,米Microsoftと米Appleが出す新たな製品やサービスを我先にと奪い合っている。だが,それ以外のIT世界の戦士たちは,塹壕(ざんごう)の中で何年も何年も同じ問題に様々な方法で立ち向かっている。Microsoftの「Windows 7」や「SharePoint 2010」,Appleの「iPhone」の最新モデルに食指が動かない人がいるのはなぜだろうか。その理由の1つは,相変わらずファイル・サーバーの整理整頓という手離れの悪い作業に追われているからだ。

 Windows IT Proの記者であるEric Rux氏は先日,企業のIT担当者から「ある作業が心配で夜も眠れない」という内容のメールを受け取った。この人物はEricが2年前に書いたファイル・サーバーの整理に関する「Let's Get Organized(「さぁ整理しよう」)」という記事を読み,以下のように書いてきた。

 「管理しているファイル・サーバー内にある80Gバイトのデータを整理する,という新たなプロジェクトをスタートさせたばかりだ。サーバーの状態は乱雑で,セキュリティ権限やスキーマなど,あったものではない。社員は10年以上前から共有フォルダにファイルを放り込んでいたのだ」。

 ざっとWebで調べたところ,ファイル・サーバーの整理法はたくさんあり,同じくらい多くの選択肢もあるということが分かった。例えば「2年以上触れられていないファイルをすべて1つのフォルダに入れて,そのフォルダに『古いファイル』と名付ける」という方法や,「検索エンジン『dtSearch』を買って,検索用インデックスを生成させる」という方法が見つかる。前述したEricの記事では,ファイル・サーバーを整理するために明らかに現在でも必要とされる有効なアドバイスをしている。

 先ほど紹介したようなメールが送られてきたのは,IT業界が進もうとしている方向の影響を受けたのだろう。ピカピカと輝いている技術の方が,有用で信頼性が高く論理的な管理用技術よりも注目や金を集められるのだ。そしてIT担当者にはパッチ適用と回避策考案(順不同)という仕事が残され,頭をかきむしることになる(スケジュール管理ソフトウエアは,間もなくリリースされるSharePoint 2010のミーティングの予定をポップアップ表示してくれる)。

 いけない,もう帰らなきゃ。飼い犬の具合が悪いもので。ルーターを食べたんです。もしファイル・サーバーを整理する必要せ迫られているなら,Ericの書いたヒントを読んでほしい。

関連記事(英文):

・「Bounce Unwanted Files Out of Your Folders」(「フォルダから不要なファイルを追い出そう」)
・「How Is a File Server Like a Racecar?」(「ファイル・サーバーはどのくらいレースカート似ているのか?」)
・「Upcoming Microsoft Releases」(「間もなくリリースされるMicrosoft製品」)