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情報システム

問題解決の軌跡

日経SYSTEMS

開発の中心にいた2人のマネージャ 技術/調整力アップ迫られ奮起

ジェイティービー(JTB)

2009/09/30
西村 崇=日経SYSTEMS
出典:日経SYSTEMS 2009年4月号  pp.68-71
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
1. 新しい基幹系システムの開発現場で,未経験の技術やプロジェクトでの役割に戸惑った
2. 未経験の技術は,実作業のベンダー担当者と同等レベルの研修を受けて把握
3. 初めての取りまとめ役は,前任者の振る舞いを思い出して,コツを導き出した

 国内最大手の旅行会社,ジェイティービー(JTB)は2009年1月,新しい基幹系システムを全面稼働させた。交通機関や宿泊施設などを組み合わせた国内/海外の旅行商品の設計,旅行商品に関する情報の参照,予約,決済など,JTBの旅行業務を支える機能を備える。

 システム開発作業は,2002年春にスタート。テーマパーク予約システムの開発を皮切りに4期に分けて実施した。複数の業務アプリケーション,アプリケーション基盤,汎用機能といった開発対象ごとにプロジェクトを立ち上げ,並行して作業を進めた。開発作業の中心にいたのは,JTBグループの情報システム会社,JTB情報システム(JSS)のITエンジニアたちだ。JTBの業務担当者や製品ベンダーの担当者とともに作業を進め,直面するさまざまな課題を乗り越えてきた。

 その中の1人,JSSの野口要氏(アプリケーション基盤開発プロジェクト マネージャー)は,これまで使ったことのない技術・製品に挑戦。同じくJSSの加藤賢氏(汎用・次期端末プロジェクト マネージャー)は,取りまとめ役不在の状況を打開すべく奮起した(図1)。以下では野口氏と加藤氏にフォーカスし,彼ら2人の問題解決の軌跡を追った。

図1●ジェイティービー(JTB)の基幹系システムの刷新で2人のマネージャが直面した出来事と,スキル面での課題
開発作業を担当したJTB情報システムの2人のマネージャは,未経験の技術を採用することが決定したり,チーム間の取りまとめ役が開発プロジェクトから離脱したりして,技術スキルやマネジメント・スキルに関する課題解決に迫られた
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基盤担当 野口氏のケース
ベンダーの意見に切り返せない

野口氏:「従来システムでは,トランザクション処理の途中で不具合が発生したとき,その時点で処理状況をログに出力していました。新システムでも同様の機能を実現できますか?」

ベンダー担当者:「ログ出力は,新たに導入するミドルウエアに機能が備わっています。ですが,ミドルウエアの制約で,出力タイミングはトランザクションの終了時に限られます」

野口氏:「ということは,ロールバック処理が終わるまで,ログは出力されないということですね。何とかできないのですか?」

ベンダー担当者:「難しいですね」

野口氏:「そうですか…」

 アプリケーション基盤の実現方法を詰める,第1期開発の会議の場で,製品ベンダーの担当者に質問を続けていたJSSの野口氏は,渋々質問をやめざるを得なかった(図2)。

図2●技術スキルの強化の過程と得られた成果
アプリケーション基盤の開発を担当した野口要氏は,未経験だったミドルウエア製品の技術修得が必要であると痛感した。初級レベルの研修だけでなく,導入・運用担当者向けの中級・上級レベルの研修も受講。その結果,不具合発生時に製品ベンダーの担当者と対等に議論できるまでになった
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>>状況に危機感を覚える
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