(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
今回の回答者: 今村 康弘 シマンテック ソリューション&プロダクト マーケティング部 セキュリティグループ プロダクトマーケティングマネージャ |
シマンテックが2008年3月に調査したところ,世の中の全インターネット・メールに対するスパム・メールの割合は,ピーク時で約88%でした。なんと全インターネット・メールのうちの約9割がスパム・メールという状態です。では,この割合はどのように算出したのでしょうか。
シマンテックでは“おとり”のメール・アカウントを利用して,スパム・メールを採取しています。おとりのメール・アカウントには,スパム・メール採取のために生成されたもののほか,大手のプロバイダや企業の協力を得て,使われていないアカウントを利用させてもらっているものもあります。
これらのアカウントに来るメールは受信者がいないにもかかわらず,勝手に送りつけられているメールです。つまり,これをスパム・メールとして数えているわけです。
シマンテックでは,約300万個のおとりアカウントを利用しています。300万のアカウントには,1日に合計で約3000万通のスパム・メールが来ます。また,全インターネット・メールの量を算出するために,協力を得ているプロバイダなどの企業や組織,団体からの情報を活用しています。
これらの情報を基にしてシマンテック独自の算出方法を用いた結果,「インターネット・メールの約88%がスパム・メール」としているわけです。
じつは意外なことに,スパム・メールの割合はここ数年間は平均してだいたい80%で推移しており,あまり変化がありません。しかし,インターネット・メールの総量は増加しているため,スパム・メールの量も増えています。
なお,採取したスパム・メールは,スパム・メール・フィルタを作成するために使われます。世界4拠点でスパム・メールを集計し,7~10分ごとにスパム・メール・フィルタを作成して配布しています。