UPSは,各モジュールの組み合わせによって大きく三つのタイプがある。このタイプによって,通常時と停電時の電気の供給方式や,解消できる電源障害が違ってくる(図4)。
エンタープライズ向けとして代表的なのが「オンラインUPS」だ。常時インバータ給電方式とも呼ぶ。この方式の特徴は,通常時と停電時ともバッテリーを経由して電気を供給すること。通常時も整流器,バッテリー,インバータを経由させるので,商用電源のほぼすべての電源障害を解消できる。
二つ目の「ラインインタラクティブUPS」と,三つ目の「オフラインUPS」は,常時商用給電方式と呼ぶタイプである。通常時はバッテリーなどを経由せず,停電時に切り替えてバッテリーから電気を供給する。切り替える際,数ミリ秒の電源停止になるが,サーバーなどは20ミリ秒程度の電源停止に耐えられるので問題ない。この二つのタイプは,通常時はバッテリーなどを経由しないので解消できる障害が限られる。特にオフラインUPSは,通常時サージ・プロテクタのみ経由して電気を供給するので,電圧低下や過電圧を解消することができない。