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安田 正=パンネーションズ・コンサルティング・グループ 2009/07/08 ITpro

 文書をわかりやすくするための目標「文書の全体構成を組み立てられるようにする」を,実際の例を使って実践してみましょう。

 下記の文書は,システム・トラブルの報告を受けた河田さんが,上司の山下部長にあてて書いたメールの報告書です。わかりにくい点はどこでしょうか?

どこが問題?(改善前)

山下部長
お疲れ様です。河田です。
先程,木村さんからトラブル報告の電話がありました。内容は以下の通りです。

・先週K社に納品したシステムに障害が発生,現在システムがストップしている
・先方は今日中にシステム復旧して欲しいとのことでかなりご立腹。担当木村さんでは対応しきれず,できれば部長から謝罪をお願いしたいとのこと
・木村さんはお客様との商談で,おおよそ2時間は連絡を取ることができない
・木村さんは何度も先方に謝罪の連絡をしているそうなのですが,「今日中に復旧してほしい」と取りつく島がない
・山下部長に取りあえずフォローをお願いしたいとのこと。システム状態のチェック後,復旧のめどを電話で伝えていただきたい

以上ご対応の程,宜しくお願いいたします。

ここが問題! 伝える順番を考えていない

 この報告文書では,「システムの状況をチェックして復旧のめどを連絡すること」と「システム障害について謝罪すること」という二つの話が交錯しています。

 わかりやすい文書にするためには,「伝える順番」が大切になります。ところが,複数の話が交錯していると,その順番をそろえるのが難しくなります。その結果,読み手も自身で順番がそろっていない情報を整理しなければならず,いっそう理解が難しくなってしまいます。

これで解決! 伝える順番は「相手が理解しやすい順番」に

 この例でも,前回取り上げた「内容を大きく分けて項目を立てる」のテクニックが有効です。まずは伝えるべき内容を大きく分けて,それぞれに項目を立ててみましょう。

 報告文書の内容を見てみると,「システムの状況をチェックし,復旧のめどを連絡すること」と「システム障害について謝罪すること」という二つの話題が【部長への依頼内容】という項目にまとめられます。また,「システム復旧を今日中にしてほしい」と「ご立腹」は【K社の状況】と言えます。そして,「2時間商談」と「謝罪したが取りつく島がない」が【担当者が対応できない理由】という項目にまとめられます。

 さて,ここで相手の理解の決め手となるのが,これらの項目を伝える順番です。先に結論を伝えてから経緯を伝える

A【部長への依頼内容】→【K社の状況】→【担当者が対応できない理由】

と,経緯を伝えてから結論を伝える

B【K社の状況】→【担当者が対応できない理由】→【部長への依頼内容】

と,どちらが相手にとって理解しやすいでしょうか。

 このケースは,Bの方が理解しやすいと言えます。なぜなら,Aでは,部長は「なぜ私がやらなければならないのか」と「何をすればいいのか」を把握しにくいからです。Bの流れだと,状況を把握しながら自分が何をすればよいかを順を追って理解できます。一般的には,「結論を先に伝えると分りやすい」と言われていますが,実は何でもかんでもというわけではないのです。

 伝える情報を整理し,情報を出す順番を考えた改善後の文章は,以下のようになります。

改善後
山下部長
お疲れ様です。河田です。
下記,木村さんからのK社システム障害のトラブル報告について,順を追ってお伝えいたします。

【K社の状況】
・システム復旧を今日中にしてほしいとのこと
・かなりご立腹の様子

【木村さんが対応できない理由】
・これから2時間商談中
・謝罪したが取りつく島がない

【部長への依頼内容】
・K社へ謝罪していただきたい
・システム状況をチェック後,復旧のめどを先方へ連絡していただきたい

以上大変お手数ですが何卒宜しくお願いいたします。

 いかがでしたでしょうか。伝える内容を整理することと,それを相手が理解しやすい順番で伝えることが,わかりやすい文書を作るためのポイントというわけです。

安田 正(やすだ ただし)
パンネーションズ コンサルティング グループ
法人向けの研修を企画・実施する株式会社パンネーションズ コンサルティング グループの代表取締役。ロジカル・ライティング,ロジカル・コミュニケーション,交渉などの領域で,自ら講師としても活躍している。2008年より早稲田大学理工学術院非常勤講師。著書に「誰でも論理的に書ける ロジカル・ライティング」などがある。

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