今回は「次につながる議事録づくりを!」と題して,議事録をどう書けばいいのかを解説しよう。

 議事録には,会議での決定事項や決定に至るプロセス,残件などを明確にし,チームメンバーに行動を起させる,という大事な役割がある。議事録が配布されなかったり,配布が遅かったり,議事録の内容に問題があったりすると,会議での決定事項が実行されない恐れがある。それくらい,議事録は重要なのだ。

 早速,前回のケーススタディの続きから,スタートしよう。

 情報システム室主任の山田さとしがリーダーを務める,あけぼの産業の次期基幹システム再構築プロジェクト。プロジェクト・メンバーはまず,各部門の業務・システムの問題抽出に取り組み,自部門の問題・課題をなんとか整理できた。山田は,問題・課題を全メンバーで共有し,他部門の観点から意見を出し合うための検討会議を開催。長時間にわたった検討会議もようやく終わろうとしていた・・・。

 情報システム室の第1会議室にて。

山田:「これでやっと課題の検討は終わりです。ずいぶん時間がかかってしまいましたが,その分課題が補強され,関連付けもできたので,システム再構築に向けてしっかりしたものができたと思います。あとは,今日の検討結果を各自資料に反映して,資料を完成させて下さい。本当にお疲れ様でした」

全員:「お疲れ様でした」

 会議を締める言葉を聞きながら,議事録担当の佐々木主任(財務)は,議事のメモを見ながら考えていた。

 ・・・今日は疲れたし,みんな早く帰りたいだろうけど,次の予定や宿題をちゃんと分かっているのかな?これがはっきりしないと,議事録をちゃんと書けそうにないぞ。

佐々木:「ちょっと待ってください。まだ次の予定や実施事項が決まっていませんよ」

山田:「そうですね。みなさん,ちょっと待ってください。もう少しだけ付き合って下さい」

 山田が呼びかけると,帰りかけていたメンバーが戻ってきた。