園田 誠(そのだ まこと)
 1965年愛知県生まれ。多摩美術大学卒業。石橋を叩いて渡るA型。美術大学卒業のキャリアを活かして,あちこちでWebデザインの原稿とか書くくせに,サイト全部のHTMLをマメに書くのが面倒だから自分のサイトもブログ・システムに変えてしまった不精者。つまり今回のテーマであるWeb APIを語るには,まさにうってつけのWebプログラム系フリーライター。http://www.japan.xitami.net/

気になる単語はどこにでもある

 まだインターネットなんていう便利なものがなかった時代,例えばテレビでニュースを見ていて,わからない単語が出てきた時に,隣で一緒にテレビを見ていた父親に「○○○ってどういう意味?」と聞くと,たいてい「辞書を引いて調べろ」と言われたものです。父親に答えるだけの知識や説明力がなかったのか,自分で調べるという能動性を育てたかったのか,今となってはわかりません(いや,まだうちの父親は生きていますから,聞いてみればいいんですけど)。これはどこの家庭でも,とてもよく見られた光景でした。

 さて時は流れて21世紀。私などはテレビを見るよりもパソコンの前に座っている時間の方が長くなり,最新ニュースもインターネットからという生活。難しい技術系の解説記事から,友達のブログまで何十というサイトを毎日眺めて暮らすようになりました。そして,どのサイトを見ていても「これなんだっけ?」という単語や人名が出てきます。わからない単語は検索サイトやWikipediaで調べます。

 さて今度はブログの書き手になって考えてみましょう。いろいろな記事を書いていくと,必ず自分はよくわかっているけれども他人にはわかりにくい単語というものを使ってしまうことがあります。そうした単語一つひとつに対して,Wikipediaや検索サイトへのリンクを埋め込んでいくというのは大変です。読み手がどの単語に対して疑問や興味を持つのかということも予想できません。

 例えば「冷や奴の作り方」というブログ記事を書いたとしましょう。冷や奴ですから,豆腐を切ってネギとショウガを乗せ,醤油(ポン酢も捨てがたい)をかけるだけなんですが,この記事を読んでいる人が,ふと「ネギって日本の固有種なんだろうか?舶来種だとしたらいつ頃日本に入ってきたんだろう??」と素朴な疑問を持つかもしれませんよね。

 読み手が何に興味を持ち,どう感じるかが予測できない以上,記事中のありとあらゆる単語に対してリンクを設定しておくというのは現実的ではありません。しかもリンクだらけになったら,うかつなところをクリックできなくなります。だからこそ「興味や疑問があったら単語をコピペして自分で調べてね」というのが基本的なスタンスになります。ああ,これでは昭和のオヤジと同じだ。

 今回はそうした読み手のちょっとした興味と好奇心に対して手助けになるであろうブログパーツを紹介したいと思います。「popIn Rainbow」です。