今月初旬に発売されたPalm Preに続き,先週末には米Appleから「iPhone 3G S」が発売されるなど,2009年6月の米国はスマートフォンの話題でもちきりである。だが,話題を独占しているiPhone 3G Sも,報道されるほどは残念ながら盛り上がっていないようだ。その陰で,米Microsoftも今秋にスマートフォン新製品の発売を計画している。

Take1:Appleファンに支えられる「iPhone 3G S」の盛り上がり

 米AppleがiPhoneの新モデル「iPhone 3G S」を発売するのに合わせ,Appleファンは2007年と同じようにパーティをしている。2007年の初代iPhone発売や,2008年の「iPhone 3G」発売では,何日も前から長蛇の列ができた。ところが今回は,一部の物好きが「Apple Store」や米AT&Tのアウトレット店舗の前で一晩過ごしただけだった。

 もちろんAppleのファン・サイトは発売待ちの列に関する記事を掲載し,実際よりも盛り上がっているよう見せる無駄な努力をしている。

 この件に関して筆者が最も感心した記事を紹介しよう。米PC World誌のHarry McCracken氏が書いたもので,カリフォルニア州サンフランシスコのベイ・エリアにあるApple Storeにできた短い列を「週末になるとできるドラッグ・ストア・チェーンWalgreensの列の方が,長くて盛り上がっている」と表現した(笑)。

Take2:「Zune HD」はNVIDIAの新型プロセッサ「Tegra」を採用

 米Microsoftが2009年秋にリリースする予定の新型携帯用メディア・プレーヤ「Zune HD」は,米NVIDIAが「コンピュータ・オン・チップ」と称しているモバイル・デバイス向けプロセッサ「Tegra」を採用する第一弾製品となる,という情報を関係者から2009年6月第3週に得た。

 Tegraは英ARMのプロセッサ・コアを中心にメモリー/グラフィックス/ストレージ機能を備え,あらゆる種類のデータ出力オプションを用意している(もちろんHDMIデジタル映像出力にも対応する)。

 Tegraの一番優れている点はその大きさだ。全機能がガム1枚ほどのサイズに収まってしまう。例えば,デスクトップ・パソコン「Mac mini」で1部屋占有してしまうほど大きなメインフレーム・コンピュータの機能を実現するようなものだ(関連記事:NVIDIA Tegra搭載端末,「フルHDビデオ再生は最大10時間,音楽再生は連続25日間」【COMPUTEX/WiMAX Expo】米NVIDIA,インテル「Atom」対抗のモバイル端末向けプロセッサを発表Microsoft,タッチ・スクリーン搭載の「Zune HD」を発表,今秋発売へ)。