問題
問5 情報技術を利用して顧客に関する情報を収集,分析し,長期的視点から顧客と良好な関係を築いて自社の顧客として囲い込み,収益の拡大を図る手法はどれか。
ア BSC
イ CRM
ウ ERP
エ PPM
解説と解答
設問文中の「長期的視点から顧客と良好な関係を築いて自社の顧客として囲い込み」という表現に着目しましょう。このような経営戦略の手法をCRM(Customer Relationship Management)と言います。CRMは,個々の顧客との間に強い信頼関係を築き,顧客満足度を高めることによって,結果として売上の増大を図ろうとする経営戦略の考え方,またはそれを実現するシステムです。なお,選択肢アのBSCと選択肢エのPPMは経営戦略に関する用語で,選択肢ウのERPはシステム戦略に関する用語です。
BSC(Balanced Score Card,バランススコアカード)は,企業のビジョンと戦略を実現するために,「財務」,「顧客」,「業務プロセス」,「学習と成長」の四つの視点から企業活動を検討し,具体的な実施計画まで展開していく経営戦略の手法です。
PPM(Product Portfolio Management,プロダクトポートフォリオマネジメント)は,ボストンコンサルティンググループが開発した,自社の製品や事業の市場競争力を客観的に評価・分析するための経営分析の手法です。PPMでは,縦軸に市場成長率,横軸に市場占有率をとった2次元のグラフ(PPMマトリックス)を作成します。
ERP(Enterprise Resource Planning,企業資源計画)は,企業内の生産,販売,物流,会計,人事などの基幹業務処理で利用するデータを連携させて一元管理し,企業のもつ経営資源を統合的に計画・管理することによって,経営の効率化を目指すという考え方,またはそれを実現するためのシステムです。
よって正解は,選択肢イです。
アプリケーションデザイナー 代表取締役