米Microsoftは2009年6月23日(米国時間),新たなセキュリティ・ソフトウエア「Microsoft Security Essentials(MSE)」(開発コード名「Morror」)のベータ版を米国,イスラエル,ブラジルで限定公開する。MSEは,「Windows 7」「Windows Vista」「Windows XP」用のマルウエア対策アドオンであり,最終版は2009年中に全世界向けに無償提供される。

 同社マルウエア対策担当ジェネラル・マネージャであるAlan Packer氏は6月初めのミーティングで,「MSEは信頼できるセキュリティだ。高い評価を受けているマルウエア対策技術を採用し,ユーザーをリアルタイムに保護する。入手/使用は簡単であり,当社が正規版Windowsの全ユーザーに直接無料で提供する」と述べた。

 MSEは,同社の「Forefront」「Hotmail」といったほかの製品/サービスと同じマルウエア対策技術を採用している。そして,同社が打ち切ったパソコン向け総合管理サービス「Windows Live OneCare」を引き継ぐ製品となる(関連記事:Microsoft,OfficeとWindows Live OneCareの年額サービスEquiptを4月末で停止)。ほぼリアルタイムにシグネチャを更新する動的シグネチャ・サービスに対応して以来,ユーザーには見えない形だがアップデートされており,常時パソコンを最新の状態に維持できる。

 MSEは,ほかの点でもOneCareより優れている。OneCareの備えていたパソコン管理機能をすべて捨て去る代わりに,サイズが小さくなり,動作が軽く機敏になる。その上OneCareと違って,ひっきりなしに不必要な通知メッセージを表示してユーザーを煩わせることがない。

 同社はMSEの第一弾ベータ公開に続き,7月後半の中国を皮切りに各地でベータ版をリリースしていく。最終版リリースは2009年第3四半期で,Windows 7発売と同じくらいの時期になるだろう。

 今回公開されたMSEベータ版の詳細については,SuperSite for Windowsに掲載した筆者の記事(英文)を読んでいただきたい。