■「Active@ NTFS Reader for DOS」は,起動できなくなったWindowsシステムのファイルをDOS環境からアクセスしてリカバーするためのツールである。
■フロッピ,USBフラッシュ・メモリー,またはCD-Rから起動するDOS環境でNTFSファイル・システムのファイルを読み出すことができる。そのため,クラッシュしたコンピュータからのファイル救済が,すぐ簡単にできる。
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Windows 2000/XPのシステムがトラブルに遭遇し起動しなくなってしまった際に,せめてシステムに保存されている大切なデータを救済したいと思うだろう。システムやデータが保存されているハードディスクが物理的に破損してしまい,データの読み書きが不可能になってしまった場合を除くと,以下のいずれかの方法でデータを救済可能なことが多い。
(1) | セーフ・モードでの起動を試み,無事起動できたらトラブルの原因を把握して対処する。 |
(2) | あらかじめ作成しておいたWindows起動ディスクからシステムの起動を試みる。 |
(3) | Windowsの修復インストールによりシステムの修復を試みる。 |
(4) | 回復コンソールをシステムに導入してファイルの救済や修復を行う。 |
(5) | 緊急避難的な措置として,別のハードディスクや別のパーティションに一時的にWindowsをインストールし,ファイルの修復や救済を試みる。 |
(6) | ハードディスクを取り外し,別のコンピュータに(外付けのハードディスクなどとして)接続して救済を試みる。 |
(7) | WindowsサブシステムであるWindows PE(Microsoft Windowsプレインストール環境)をCD-Rなどにインストールし,CDからこのサブシステムを起動して,コンピュータ内部のハードディスクのファイルにアクセスする。 |
(8) | LinuxベースのシステムをCDから起動して,ハードディスクのファイルを取り扱う。 |
これらの中では,トラブルが軽微の場合は(1)や(2)の方法が,深刻なトラブルに遭遇した場合は(3)から(6)の方法を使って対処ことが多いだろう。最近は,(7)や(8)など,別のシステムをCDから起動して救済を試みる方法も広く知られるようになり,起動不能になったWindowsシステムからのファイル救済,修復によく利用されるようになってきている。
障害発生時にすぐに対処可能にする
いずれの手段を使っても,起動できなくなったWindowsシステムからファイルを救出したり修復することができる点ではたいへん有用な方法である。だが,あらかじめ作成しておいた起動ディスクを使う場合以外は,修復のための準備に手間がかかる。そのため,ネットワークの管理者がユーザーに早急な対応を求められても「ただちに」とはいかないのが面倒なところだ。また,最近は,多くのWindowsのファイル・システムがNTFSで構成されており,Windows 95/98/MeといったFAT/FAT32ファイル・システムが主流の古いコンピュータしか残されていない場合には,たとえ外付けのハードディスクとして接続できても,ファイルの読み込みすら不可能といった事態になりかねない。
今回紹介する「Active@ NTFS Reader for DOS」(以下「NTFS Reader」と略記する)は,NTFS環境にアクセスしてファイルを読み出すことができるDOSベースのユーティリティである(ただし,英語版)。使用しているコンピュータが1台しかなく,どうにも対応できないといった場合を除くと,Windows 95/98といった古いシステムであっても対応手段を簡単に準備できるメリットがある。起動可能なメディアとしては,フロッピ・ディスク,USBフラッシュ・メモリー,およびCD(CD-Rなど)に対応している。そのため,コンピュータがこれらのいずれかのメディアから起動できるようにBIOS設定画面で設定さえできれば,直ちにファイルの救済作業を開始できる。