問題

問2 個人情報保護法において,“個人情報”の対象となるものはどれか。

ア 企業の名称,電話番号,住所など,特定の企業が識別できる情報
イ 記名方式で取得したアンケートから,回答だけを集計して作成した報告書
ウ 氏名,生年月日,住所が記入された顧客台帳
エ 年代別顧客の人数分布と売上金額が表示された表

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解説と解答

 個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)は,民間の事業者に対して個人情報を適切に保護することを義務付ける法律です。

 個人情報保護法の対象となる事業者を個人情報保護事業者と言います。また,個人情報保護法における“個人情報”とは,(1)生存する個人に関する情報であり,(2)特定の個人を識別できるもの――を指します。個人情報保護法で“個人情報”として保護されるためのこれら(1)と(2)の条件は,ぜひ覚えておきましょう。

 選択肢アは,個人情報保護法では企業などの法人に関する情報は保護の対象となりません。したがって選択肢アは,個人情報保護法の対象ではありません。選択肢イは,アンケート回答を集計した結果から特定の個人を識別することはできないので,個人情報保護法の対象となりません。なお,記名方式で取得したアンケートの回答そのものについては,個人情報保護法の対象となる可能性があります。

 選択肢ウは,氏名,生年月日,住所が記入された顧客台帳は特定の個人を識別できる情報に該当するので,個人情報保護法の対象となります。選択肢エは,年代別顧客の人数分布と売上金額から特定の個人を識別することはできないので,個人情報保護法の対象となりません。

 よって正解は,選択肢ウです。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て,1998年より現職。保持する資格は,プロジェクトマネージャ,テクニカルエンジニア(ネットワーク),同(情報セキュリティ),基本情報技術者など多数。著書に「短期完全マスター ITパスポート 2009年版」などがある。