ミニブログ・サービス「Twitter」をビジネスに活用する動きが注目されている。米Dellは,Twitter上にオンライン・クーポンや新製品の情報を公開し,売り上げの拡大に成功している。また,米国で日本より一足早く完了したテレビ放送の完全デジタル化では,特に大きなトラブルは発生しなかった。

Take1:Twitter経由でのDellの累積売上高は300万ドル

 米Dellは2009年6月第2週,1997年以降にミニブログ・サービス「Twitter」経由で得た売上高が累積300万ドルになったとした。つまり,同社はほかのTwitterユーザーの300万倍も稼いだのだ。

 同社によると,この売り上げはTwitterでオンライン・クーポンや新製品の情報を知ったユーザーから得たという。しかも売上高の100万ドルをこの6カ月間で獲得しており,Twitterを経由する販売の増えていることが分かる。

 DellのRichard Binhammer氏は「(Twitterは)顧客の問題に対処し,顧客から必要な情報を得ることのできる素晴らしい手段だ。優れたフィードバック・フォーラムであり,販売にもつながる。利用しないなんてもったいない」としている。

 ところで,Dellの販売を手伝ったTwitterはいくら稼いだのだろうか。Twitterは全く収入を得ていない。この事実がTwitterのビジネス・モデルを物語っている。考えてみれば,ビジネスともモデルともいえない。

Take2:米国でテレビ放送がついに完全デジタル化

 予定より3年も遅れ,はっきりしない状態が続いていたものの,米国のテレビ界はアナログ停波で完全にデジタル放送へ移行し,「恐竜時代(Dinosaur Age)」から「デジタル時代(Digital Age)」に入った。デジタル移行によって,1964年に百貨店で買った米RCA製ブラウン管テレビを今も使っているような年配者の間では今後も混乱が残るだろう。だが,デジタル放送への移行でもたらされるメリットは理解しにくいものも含め、かなり多い(関連記事:アナログ停波当日の米国,「大きな混乱はなし」とFCCが報告)。

 確かに,これまで使っていたウサギの耳のような形をしたアンテナは使えなくなり,8トラック・テープやレーザーディスクのプレーヤと同じくごみ箱行きの技術となった。ところが,デジタル移行は電波で放送できる無料テレビ番組の数を増やしてくれる。したがって,短期的にみてもメリットがデメリットを上回る。

 それから「デジタル移行への準備期間が短かった」と不満を述べるのはやめよう。移行に対する注意を呼びかけるテレビCMは,2008年の12月から目障りなほど多かった。テレビの前に座っているのなら,少しくらいは見るようにしよう。