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 ルーターの起動方法に関する問題である。ルーターが起動方法を決めるにあたって重要となるのが,コンフィグレーション・レジスタ値とboot systemコマンドの二つである。

 コンフィグレーション・レジスタ値はルーターのNVRAMに保存されており,ルーターが起動してPOSTが実行された後に読み込まれる。この値によって起動するOSが決まる。OSにはROMモニター,MiniIOS,通常のIOS──の三つがある(図1)。ROMモニターは障害復旧時に使われる特殊なOSで,ルーターとしては動作しない。MiniIOSは最小構成のIOSで,必要最低限の機能しかない

図1●シスコ製ルーターの起動の流れ<br>設定ファイルやレジスタ値の内容によって,起動後に使える機能が異なる。
図1●シスコ製ルーターの起動の流れ
設定ファイルやレジスタ値の内容によって,起動後に使える機能が異なる。
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 コンフィグレーション・レジスタ値は,show versionコマンドで確認できる。問題を見るとレジスタ値は「0x2102」となっており,これは,通常のIOSを起動する設定である。

設定ファイルにIOSの場所を記載

 ルーターは通常,フラッシュ・メモリーに格納されているIOSを読み込むが,そのほかにも,ROMやネットワーク上のTFTPサーバーなどから読み込ませることが可能である。どこにあるIOSを読み込むかは,設定ファイルにboot systemコマンドとして記述する。

 問題の後半に表示されているshow running-configコマンドの表示結果を見ると,設定ファイルに4個のboot systemコマンドが記載されている。この場合,ルーターはコマンドの上から順番にIOSの読み込みを試みる。つまり本問題のケースでは,一番上に「boot system flash」とある。そのためルーターは,フラッシュ・メモリーにあるIOSを読み込む。

 よって正解は,選択肢bの「フラッシュ・メモリー」である。

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IOS編 第4回「IOSを起動してセッティング」