リーダーのアドバイス

ダメな“システム屋”にだまされるな

ITpro

第15回 「コンサルタントになりたい」という逃避願望

本当に「相談」してもらえる力があるのか

 そもそもコンサルティングを日本語に訳せば「相談」という言葉になります。広く深い経験があり、逃避願望以外の動機からコンサルタントを志望する場合は、「あなたは本当に相談される人ですか」という質問に答えられる必要があります。

 ビジネスマンの基本行動「ほう・れん・そう」、つまり報告・連絡・相談のうち、報告の相手は上司だと決まっており、連絡の相手は関係者を網羅すると決まっています。しかし、相談だけは自分で相手を選べます。

 レベルの低い上司が「なんで相談しなかったんだ」と怒鳴る場面をよく見かけますが、相談する側に相手を選ぶ自由があるわけで、相談されなかった事実、つまり部下からあまり尊敬・敬愛されていない事実を暴露しているだけじゃないかと思うことがあります。

 コンサルタントを志望する人は、第1に「自分はどういった事柄なら相談されるか、頼りにされるか」を自分に問うてほしいと思います。第2の質問は「どういう人からなら相談されるが、どういう人からは相談されないか」。第3の質問は「そのことについて、あなたより良い相談相手は存在しないか」。第4の質問は「相談する人があなたにお金を払ってくれるか」です。そして最後に「それはいくら」。

 なお、著名な企業に勤める人の場合は自信を持って「1〜4まで全部OKで、最後の質問の答えは1000万円」と答えるかもしれません。そういう人には「あなたに会社の看板が無く、独立した個人だったとしたら」と付け加えたいと思います。

 残念ながら、有能なコンサルタントの下について何年かやったとしても、コンサルタントになれるわけではありません。参考になることは多くても、決して近道にはなりません。それよりシステムの仕事で第1に顧客に信頼され、第2に部下や同僚、協力会社に信頼され、第3に上司に頼りにされることです。

 上司がダメな人の場合に限って「第3」は割愛しても差し支えありませんが、顧客がダメとか部下がダメということはあり得ません。顧客や部下に変化をもたらすことができる人だけが、コンサルタントになれるのです。

佐藤 治夫(さとう はるお)氏
老博堂コンサルティング 代表
1956年東京都武蔵野市生まれ。79年東京工業大学理学部数学科卒業、同年野村コンピュータシステム(現野村総合研究所)入社。流通・金融などのシステム開発プロジェクトに携わる。2001年独立し、フリーランスで活動。2003年スタッフサービス・ホールディングス取締役に就任、CIO(最高情報責任者)を務める。2008年6月に再び独立し、複数のユーザー企業・システム企業の顧問を務める。趣味はサッカーで、休日はコーチとして少年チームを指導する。
 [2009/06/08]
【トップインタビュー〜大淘汰時代を勝ち抜く】 【ダメな“システム屋”にだまされるな】 【失敗に学ぶ情報化のポイント】 【改革の軌跡 あのプロジェクトの舞台裏】
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