ラックに収容したサーバー機は高い熱を発するだけに,データセンターは,冷えた空気を供給し熱排気を外に出す空調設備を備えている。従来は,空調機の配管を床下に通し,ラック底面の穴から冷気を送り込むタイプが多かった。最近は,「ホット・アイル/コールド・アイル方式」と呼ばれる空調方式が主流になっている。

従来方式

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 従来は,空調機の冷気を,床下を通じてラックの底面から送り込み,上面から熱排気を逃がした上で,空調機上面の吸気口で吸い込む方式が主流だった。この方式は十分に実用的だが,難点を挙げると,ラックの下にあるサーバー機はよく冷えるが,ラック上部に設置したサーバー機ほど冷え方が弱くなる。


ホット・アイル/ コールド・アイル方式

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 ホット・アイル/ コールド・アイル方式ではその名の通り,ラック列の前面同士,後面同士を向かい合わせて並べることで,熱排気がたまる温かい通路(ホット・アイル)と冷気の通路(コールド・アイル)を設ける。コールド・アイルには,空調機から冷気を送り込む。すると,サーバー機が前面から空気を吸い込み後面から排気するので,ホット・アイルに熱排気がたまる。それを,送風機を使うなどして,空調機上部の吸気口から吸い込む。この空気循環により,安定してサーバーを冷やす。