データセンターの災害対策として共通するのは,地震対策と火災対策である。地震対策は,建物,床,ラックという三つのポイントに対して,免震,制震,耐震のいずれかが講じられる。一方,火災対策については,多くのデータセンターが,水のような液体ではなくハロンや窒素などの消火ガスを使った消火設備を備えている。また,わずかな煙も感知する高感度煙感知器を備えるデータセンターもある。

地震対策(i):建物

 データセンターの建物は一般に,ゴムやダンパーを使った基礎によって揺れを抑える「免震」,ダンパー入りの筋交いや重りなどによって揺れを減衰させる「制震」,しなやかさもしくは頑丈さを高めて揺れによって損壊しないようにする「耐震」のいずれかの対策が講じられている。最も効果が高いのは免震で,震度7相当の揺れに耐えられるデータセンターもある。

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地震対策(ii):床,ラック

 床とラックは通常,ボルトなどで頑丈に固定することでラックが倒れないようにしている。その上で,ダンパーやベアリングを用いた免震装置を設け,建物の揺れを床もしくはラックの土台のどちらかで吸収させて,ラックに伝わらないようにしているデータセンターが少なくない。

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火災対策:消火設備

 水などの液体を消火に使うと,サーバーなどの故障の原因になる。そこでデータセンターは一般に,ハロン,窒素,二酸化炭素などの消火ガスによる消火設備を備えている。煙感知器が作動すると,全員を退避させた上で,館内を巡らせたガス管を通じて消火ガスを噴射する。

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