データセンターのネットワークと電源の概要は,下記ののようになる。まずインターネットと接続するネットワークは,コア・ルーター,集約スイッチ,フロア・スイッチを経て,各ラックに引き回される。これとは別に専用線を引き込み,ラックまで通すこともできる。ネットワーク機器やケーブルはすべて冗長構成にして信頼性を高めている。

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ラック

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 データセンターの内部には,ラックが整然と並んでいる。床下と天井にそれぞれネットワークや電源のケーブルをはわせる。


フロア・スイッチ

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 ラックの列などの単位でフロア・スイッチ(エッジ・スイッチなどともいう)を設置しており,そこからケーブルを各ラックに引き回す。


コア・ルーターと集約スイッチ

 IXとISP に対して,それぞれ数カ所と接続している。IX,ISPと結んだネットワークは,コア・ルーター(ボーダー・ルーターなどともいう)に接続する。コア・ルーターは高価な上にポート数が限られるので,集約スイッチを経由して,多数設置したフロア・スイッチへとネットワークを分岐させる。

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電源

 電力供給が滞らないように2次電源として自家発電装置を設置してあり,それが起動するまでのつなぎとしてUPSも備えている。電源は最終的に変圧器で100Vと200Vに分け,分電盤を介してラックに引き回される。図では省略しているが,電源に関する機器と配線も冗長構成になっている。

電源コンセント

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 各フロアの変圧器によって200Vと100Vに変圧した上で,電圧別に線を分けて分電盤に電力供給する。さらに分電盤から各ラックに,2kVA,6kVAといった利用者ごとの契約電力を供給する。電源コンセントは通常,ラックの左右脇に並び,左右で別系統の電力設備にしているケースもある。

UPS

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 電力会社からの電力供給が途絶えると,受変電監視システムがそれを感知し,ただちに自家発電装置を起動させる。起動までの間,電力供給を滞らせないよう,UPS を利用する。


自家発電装置

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 データセンターは一般に,電力会社の変電所から特別高圧もしくは高圧の電力供給を受ける。二つの変電所と結ぶデータセンターもある。さらに,電力会社からの電力供給が止まることに備え,自家発電装置を備える。自家発電装置は,重油を使うガス・タービン方式が主流。