今回は,Webサイトを公開する際に気にするべき5つの視点について考えて見ます。実装前後~公開まで,関係性の強弱はありますが,常に意識すべき視点だと思います。究極的には,この5つの視点を,関係者全員が有していて,そのうえで協議してプロジェクトを進めて行くのが理想なのだろうと信じています。各人が少しずつ「のりしろ」を持って,そのプロジェクトを強めていけたなら,ビジネス的確度も高まるはずですので。

5人の視点

とりあげる視点は,プロジェクトの会議に揃うべき面々と思っていただいて良いと思います。基本的には,毎回とはいかないまでも,大事な決断の局面では全員が揃っているべきでしょう。大切なのは,「後出しジャンケン」的なクレームは,「戻り」を発生させ,プロジェクトのリスクを高めることになりかねないという意識を持って,全員が参加するということです。

Webプロジェクトに必須な5つの視点

Webプロジェクトに必須な5つの視点

その5人とは,解析視点(Analyst),ビジネス視点(Business),カスタマー/ユーザー視点(Customer),デザイナ視点(Designer),エンジニア視点(Engineer)を持つ人たちです。ただし,この5人が物理的にいなくても大丈夫です。参加した人たちが,それぞれの立場に立って,キチンと考えれば良いのですから。

【A】Analyst :解析視点

A:Analyst

最近のWebプロジェクトでは,どうしても数字に出会う局面が増えてきます。成功の見込みや度合いを何かしらの数字の形で表し,比較し検討し分析します。Webサイトという「場」が,そのような数字の塊として見える人たちは,徐々に重要度が増してきているのでしょう。

重要度や発言力が増しているのであれば,その人たちに刺さる言葉で説明をしなければなりませんし,その人たち自身も的確な要求と指示をしなければなりません。必要なデータは,合意をしたうえで,そのデータが取れるように設計しなければ得られません。情報は取得のための準備が不可欠です。技術的な問題も含めて,プロジェクト初期の段階から考慮されるべき視点です。

この視点保有者への注意点は,とにかく冷徹に数字だけで語る必要があるということです。プロジェクトのメンバーの状況や諸々の状況を,解析/分析段階で入れ込んでしまっては,後々の判断がぶれてしまうリスクが高まります。