システム開発で重要なのは、ユーザーの「真の要求」を明らかにすることです。これを要求定義で行っておかないと、「こんなシステムは要望していない」という具合に、使い物にならないものを作るリスクが残ります。

 一般に要求には、ユーザーのなかで顕在化しているものと、潜在化していて言葉や文書になっていないものがあります。私は前者を「ニーズ」、後者を「ウヲンツ」と呼びます。要求定義では、顕在化させる(ニーズとして把握する)ことが重要であり、そのためにはユーザーの頭のなかに、どれだけイメージをさせてあげられるかがポイントになります。そこで話を十分聞いて推測し、相手にはっきりとしたイメージとして認識させることが重要です。

を
図●ウヲンツは十分に聞いて推理する
芦屋 広太(あしや こうた)
システムアナリスト/IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。現場での教育、雑誌・書籍の発表、セミナー・研修に利用する。