写真●日立製作所 川村 隆 会長兼社長
写真●日立製作所 川村 隆 会長兼社長

 「地味かもしれないが、お客様や株主、社員といったステークホルダー(利害関係者)の期待に応える会社にしたい」。4月20日の社長就任会見で、日立製作所の川村隆 会長兼社長はこう話した。

 地味という言葉で表したのは、古川一夫前社長時代の成長路線からの決別である。川村氏は記者会見で「赤字は悪」「今年度中には構造改革の方向性を示す」とも言い切り、日立の財務基盤立て直しに強い意欲を見せた。そのためには、グループ全体の売上高減少もいとわないという。

 今後、日立は、情報通信システム、電力システム、環境・産業・交通システム、社会・都市システムなどで構成する社会イノべーション事業に注力していく。

 現在の日立グループの社会イノベーション事業の売上高は全体の50~60%程度。この比率を高める方針だ。