ご存じの方も多いと思うが,アップルの携帯電話「iPhone」や携帯音楽プレーヤー「iPod Touch」は,「iPhone OS」というOSを搭載しており,自作のアプリケーションをインストールして実行することが可能だ。本書は,開発キット「iPhone SDK」と「Xcode」を利用してiPhone OS向けアプリケーションを作る手順を簡単に紹介したものだ。

 冒頭から第2章まではiPhone SDKとXcodeの使い方をじっくり解説している。XcodeはVisual StudioやEclipseとは使い方が大きく異なるので,ここでツールの使い方をしっかりマスターしておきたい。続いて,開発に使うObjective-C言語(第3章)や,iPhone OS(第4章)の概要について解説している。しかし,Objective-Cの解説には物足りなさが残った。本格的にアプリケーション開発を始めようとするなら,「詳解Objective -C 2.0」(荻原 剛志 著,ソフトバンク クリエイティブ)などの専門書で改めて学んだ方が良いだろう。後半(第5.8章)はiPhoneが持つ加速度センサーなどの機能を利用したサンプルを作り,ソースコードを簡潔に解説している。

iPhone SDK プログラミングガイド

iPhone SDK プログラミングガイド
酒井 裕司著
インプレスジャパン発行
2835円(税込)