写真●App Storeのトップページ(一部)
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 Developmentサイトが対象とするアプリケーション開発分野において,2009年前半で注目されるのはiPhone向けのアプリケーション開発の盛り上がりだ。米Appleは昨年7月11日,iPhoneを世界各地で同時発売した。それから約半年が経って,鳴り物入りで登場した当時に比べると,話題に上る機会は減ったものの,iPhone上で動作するアプリケーションの数とユーザーは着実に増加している。

 iPhoneアプリケーションの開発・配布は,それまでの携帯電話のアプリケーションに比べるとハードルが低い。SDK(ソフトウエア開発キット)を無料でダウンロードできることに加えて,開発したアプリケーションはAppleによるセキュリティなどの審査をパスすればAppleのサイトである「App Store(写真)」で自由に配布できる(ただし,配布にあたっては有償のプログラムに加入する必要がある)。

 Appleは2009年4月24日に,iPhone向けのアプリケーションがiPhone発売から9カ月間で,全世界で10億回ダウンロードされたことを発表した。さらにこの夏には,iPhone OSの新版と次期SDKが提供される予定だ(関連記事)。すでに伸び悩みの感がある国内の携帯向けアプリケーション市場に対し,世界に向けて比較的簡単に配信できるiPhoneアプリケーションが,今後国内でどれだけ伸びてゆくのかが注目される。

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「Visual Studio 2010」の概要が発表に

 2009年における最大の話題の一つである「Windows 7」(関連記事)を対象にした開発環境についても,姿が見え始めた。マイクロソフトは2009年1月27日に開催した開発者向けイベント「Microsoft Tech Days Japan 2009 “Best of PDC”」で,Visual Studioの次期版である「Visual Studio 2010」の概要を発表した。

 .NETアプリケーション開発・実行環境である.NET Frameworkを,現在の3.5から4.0にバージョンアップ。さらに,開発ツールの使い勝手向上,Silverlightなどへの標準対応,チーム開発の強化などを行う。2月24日に米サンフランシスコで開催された「VSLive!」での発表によると,Visual Studio 2010のユーザー・インタフェースは,開発者の作業を簡単にするために完全に再設計され,ファイル・メニューやコマンドのレイアウトを変更するほか,ツールバーとメニューバーを改良するという。

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学生の活躍を応援したい

 最後に,学生向けソフト開発イベントについて紹介したい。以前から一部で「3K」と呼ばれていることに加えて,全世界を襲った不況による企業のIT予算削減など,IT業界は厳しい状況にある。しかし最早,社会も企業もIT無しではやっていけないことは間違いない。ITpro/日経ソフトウエアでは,次世代のIT業界を担う学生を応援するため今後も,学生向けソフト開発イベントなどを積極的に取材し,紹介していきたいと考えている。

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