マネジメント分野での2009年上半期の話題と言えば,J-SOX(日本版SOX法)適用初年度の大詰めを迎えることだろう。主に上場企業に対して財務報告にかかわる内部統制の整備・運用を求めるJ-SOX(内部統制報告制度)は,3月期決算の企業なら2009年3月期から適用になる。

 多くの企業が2009年上半期中に,内部統制報告書の提出に向けて大詰めの時期を迎える。無用な混乱を避けるため,金融庁がQ&A集を追加で出すなどしているが,何しろ各社にとって初めての経験である。混乱を避けるのは難しそうだ。対応企業は監査人と密に連携し,着実で冷静な対応が求められる。

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 その一方で,J-SOX適用2年目に向けたビジネスが始まっている。米国でも,米SOX法(サーベインズ・オクスレー法)適用2年目以降に,内部統制の効率化を支援する製品やサービスが多く登場した。日本でも同様の動きが始まりつつある。

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IFRS関連製品やサービスが登場

 J-SOX2年目以降の動きで,最も大きな波になりそうなのは「国際会計基準(IFRS)」だろう。早ければ2015年にIFRSを全面適用する方向性を打ち出した中間報告案が出たことで,全面適用が一気に現実味を帯びてきた()。

図●IFRSに関する中間報告案
図●IFRSに関する中間報告案

 IFRSに関しては,まだ流動的な部分が多いがすでにベンダーの動きも活発化している。ITproでも継続して情報を提供していく予定である。

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