(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
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今回の回答者: 武知 保秀 NECビッグローブ 基盤システム本部 マネージャー (サービス開発グループ) 石井 和典 マイクロソフト 広報部 |
大容量の添付ファイルをメール・ソフトで送ろうとして相手先に届かなかったという経験は,誰しもが持っていることでしょう。そのため,インターネットで送れるメールの容量には上限があると思っている人がいるかもしれません。ですが,送信できるメール1通あたりの容量の上限を決めた標準規格などというものは特にありません。では,いくらでも大容量のメールが送れるかというと,それもまた違います。
送信できるメールの容量を決める主な要因は,プロバイダの規定や企業ネットワークの運用ポリシーにあります。例えばBIGLOBEでは,送信できるメール1通あたりの容量の上限を100Mバイトと規定しています(2008年4月現在)。100Mバイトを超えるメールは送れないようになっているのです。
また,たとえ自分が契約しているプロバイダから100Mバイトのメールが送れたとしても,そのメールを受け取る相手が契約しているプロバイダのメール・サーバーが100Mバイトのメールを受信できなければいけません。
つまりメールというシステムは,あまり大容量のファイルを送るのには適していません。単に大きなファイルを相手に渡したいということであれば,インターネット上のファイル・ストレージ・サービスを利用するなどといった工夫をしたいものです。
ちなみに,たとえプロバイダの制限がなくても,メール・ソフトやOSが扱えるファイルのサイズには限界があります。WindowsのOutlook Expressでは,メールを保存している「.dbx」の拡張子のファイル・サイズは2Gバイトを超えられません。またWindows XPなどが採用しているファイル管理方式の「FAT32」では4Gバイト以上のファイルを扱うことができません。こうした観点からも,あまり大容量のファイルをメールで送るのは望ましくないのです。