データセンター・コンパス

コスト削減に効くデータセンター刷新

日経コンピュータ

データセンターに割高感 2割はクラウド利用に前向き

自前データセンターは設備に不満

 企業がデータセンターを利用する場合、自社設備(グループ会社も含む)で運用するか、外部のものを借りるかによって条件が異なる。調査結果も、この二つの利用形態によって異なる点が多いことがわかった。

 調査では、自社運営派は29.4%(図2)。一方、不動産事業者からスペースを借りたり、システムインテグレータやデータセンター事業者の設備を利用したりする企業は、69.4%だった。

図2●約7割の回答者がサービスとしてデータセンターを利用している
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 自社運営のデータセンターでも最も不満が寄せられたのは、コストが高いことだ。20.8%と5人に1人が不満だと回答した(図3)。自社の設備であっても、電力コストやセキュリティ対策など、設備維持にコストがかかる。それが企業に重くのしかかっているようだ。

図3●利用形態によってデータセンターへの不満も異なるデータセンターへの不満を三つまで聞いた。「無回答」や「不満はない」を除いた
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 災害対策や空調能力、床耐荷重などの設備面については、自社でデータセンターを運営する回答者の不満が、外部の設備を利用している回答者に比べて1〜2ポイント多い。災害対策への不満が5.9%、床耐荷重が2.7%、空調能力は5.4%だった。

図4●自社で運営する企業のデータセンター設備が老朽化してる可能性が高い
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 これはデータセンターの利用開始時期とも密接に関連する。自社運営の設備の40.4%が2002年以前に開設したものであることがわかった(図4)。事業者の設備を利用している回答者では22.6%にすぎない。ここ数年で企業が利用するIT機器の台数や消費電力が大幅に増えていることを考えると、自社運営の設備がキャパシティなどが不足している可能性が高い。

 もう一つ気になるのは交通の便。外部の設備を利用している回答者の不満が11.7%にとどまったのに対して、自社運営の回答者14.5%が不満を感じている点だ。自社運営のデータセンターだからといって、かならずしも交通の便がよい場所を確保できるわけではないようだ。十分なスペースと耐震性、電源設備が整った場所をデータセンター化しようとすると、地方拠点になる可能性もある。

床耐荷重よりも電源容量に限界

 外部の設備を利用している回答者の場合も、コストが最も不満という結果になった。データセンター事業者などの月額料金に対する不満を、23.0%の回答者が表明した。企業が外部に支払うITコストの増大を問題視する傾向が顕著に表れた形だ。

 ただ、データセンター事業者の料金の割高感については、イメージ先行の面もあるようだ。「料金が高いという企業のなかには、その根拠が明確でないケースもある。サーバー当たりのコストを算出すれば、妥当な料金であると納得してもらえることが多い」(ソフトバンクIDC ビジネス開発本部サービス&マーケティング部の中山一郎部長)との指摘もある。

 スペースなどの拡張性が低いことへの不満も多い。12.9%と自社運営派を4.3ポイントも上回った。新たにIT機器をデータセンターに預けたくても、スペースがなく、ほかのデータセンターを探さざるを得ないなど、IT機器の設置場所が分散してしまうケースを憂慮する回答が多いということだ。実際回答のなかには、「メインフレーム機器フロアで空きができても、オープン系サーバーは設置させてもらえない。もっと融通を利かせてほしい」との声があった。

 一方、床耐荷重への不満はほとんど見受けられない。これは「床耐荷重よりも、電源容量のほうに先に限界が来てしまう」(NECの泓宏優REAL IT COOL推進センター長)ためである。

 IT機器の消費電力が急速に高まり、ラック当たりの電源容量が2KVAや4KVAといった程度の設備では、ラックに搭載可能なIT機器の数は限られる。「電源容量が十分でない」という回答が8%を超えたのはこのためだ。なかには、「契約した電源容量と実際に使用できる電源容量に開きがありすぎる」といった意見もあった。

(福田 崇男=日経コンピュータ)  [2009/05/21]
出典:日経コンピュータ 2009年3月18日号  100ページから
(記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

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