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セキュリティ人間工学と,バックオフィス詐欺防止テクニック
「RSA 2009 - Security Ergonomics & back-office anti-fraud protection techniques」より March 6,2008 Posted by Gunter Ollmann 筆者は過去数カ月にわたり,現在のセキュリティ・ソリューションの煩雑さについて,数多くの講演や教育機関向けセミナーを行ってきた。テーマの中心は,Web開発者が基本的にはユーザーを理解せずアプリケーション開発に従事している,ということである。特に,クライアント側での「保護」を強調するあまり,エンドユーザーに「セキュリティ」の責任を押しつけていると説明した。 読者が「まるでIPS(侵入防御システム)やコンテンツの詳細な検査をけなすような言いぐさだ」という結論に飛躍する前に,Web環境におけるこれら保護技術は万能の解決策ではなく,むしろWebアプリケーション自体のセキュリティ対策が不十分であることを指摘したいと思う。各種取引用アプリケーションをもっと上手に保護する方法は存在する。 そこで,筆者は2009年4月23日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催される「RSA Conference」で,「セキュリティ人間工学」と題した講演を行う。その概要は次の通りだ。
この話の前提には,オンライン顧客/ユーザーの相当多くが現在そして今後もマルウエアに感染し,取引のトランザクションの正真性に影響を及ぼす,という状況がある。これまでまかり通っていた,顧客のパソコンを守る試み(例えば「ここに無償のアンチウイルス・ソフトがあるのでインストールしてください」「ここにさまざまな認証に用いるトークンがあるので手元に保管してください」といったもの)は,うまく機能しないのではないだろうか。率直に言って,現在のマルウエアは,大抵の想像より性能と効率が高い。 筆者は2008年10月,このトピックについて短いレポート「Continuing Business with Malware Infected Customers(マルウエアに感染した顧客との取引継続について)」を執筆し,その後ブログ記事にもした。 Webアプリケーションのセキュリティ人間工学は非常に多くの側面があるので,具体的な事例を調べる方がよいだろう。当ブログ記事では,我々のほとんどが関与するオンライン・バンキングを取り上げる(これはRSA Conferenceで取り上げる内容のごく一部であり,カンファレンス本番ではその他Webアプリケーションについてさらに多くの新情報が出てくるだろう)。 オンライン・バンキングの調査過去10年間,筆者はほぼすべての国際的な大銀行や大手金融機関と,何らかの形で仕事をする機会に恵まれた。したがって,ここで取り上げる分析やアドバイスは,多少の常識と,実施できる先見の明と予算があれば,取り立てて目新しいものではないだろう。 一般的に,エンドユーザーや顧客がソーシャル・エンジニアリング攻撃(詐欺行為)に引っかかって認証あるいは取引に必要なID情報を他人に渡す可能性があったり,利用するパソコンがマルウエアに感染していたり(インターネットに接続されたパソコンの25〜33%は感染しているらしい)すると,クライアント側でどのような手立てを行ってもセキュリティは守れない。 企業はクライアント側の「ソリューション」を検討するよう筆者は声を大にして主張し続けたが,企業側が代わりにしたことは,顧客向けアプリケーションを複雑にすることだった。その結果,実際には将来の感染や詐欺行為の攻撃経路が増えてしまう。このような場合,実践的な対策は,保護や検出に関する技術/アルゴリズムをできるだけ多くバックオフィスに移管することだけだ。 では,どのようなテクニックを用いたらよいだろうか。
上述したテクニックがすべての解決策を網羅しているというつもりはない。また,当然のことながらWebアプリケーションは千差万別だ。重要なのは,脅威が魔法の弾丸(対策)一発だけで消えたりしないということだ。とはいえ,これらの対策は顧客を詐欺から守るうえで,顧客に面倒な手間を強いることなく,非常に重要な手がかりを提供してくれる。 筆者が試みるのは,オンライン・バンキング取引を保証するための,いくつかの「ベスト・プラクティス」ならぬ「ベター・プラクティス」である。また開発者は外に目を向け,アプリケーション開発の世界ではびこっている「我々の顧客はよく分かっていない」という見方から抜け出すことだ。 Copyrights (C) 2009 IBM, Corp. All rights reserved. 本記事の内容は執筆時点のものであり,含まれている情報やリンクの正確性,完全性,妥当性について保証するものではありません。 ◆この記事は,日本IBMの許可を得て,米国のセキュリティ・ラボであるIBM Internet Security Systems X-Forceの研究員が執筆するブログIBM Internet Security Systems Frequency-X Blogの記事を抜粋して日本語化したものです。 オリジナルの記事は,「RSA 2009 - Security Ergonomics & back-office anti-fraud protection techniques」でお読みいただけます。 |