先週はめずらしくMicrosoftに大きな動きがない一週間だった。だが,動きがないことがニュースということもある。Microsoftが昨年秋に開催したPDC(Professional Developers Conference)で,Web対応版Officeの提供計画を発表したことを覚えているだろうか([PDC 2008]Microsoft,次期「Office」はWebアプリ版「Word/Excel/PowerPoint/OneNote」も提供)。このベータ版が相変わらず姿を見せていないのだ。

Take1:Office 14の正式名称はOffice 2010?

 Microsoftがカリフォルニア州ロサンゼルスで行った開発者向け会議「PDC」で,Web対応版オフィス・プロダクティビティ・スイート「Office Web Applications」の提供計画を発表したのは2008年10月のこと。このスイート製品の頭文字を使った略称は「OWA」となってしまい,「Outlook Web Access」と区別できないが,そのことはどうでもいい。

 発表時には,OWAのベータ版(編集部注:正確にはプライベート技術プレビュー版と呼んでいた)が2008年12月に公開された,最終版が次期オフィス「Office 14」と同時の2009年終わりにリリースされる予定だった。。OWAのベータ版は当初の予定から5カ月過ぎた今も公開されておらず,Office 14のリリースは2010年に延期された。一体何があったのだろうか。だが,リリースが遅れたこと自体は,ほとんどの人は別に驚かなかっただろう

 同社は「OWAのベータ版リリースをまだ見送っていない」としている。そうなると,残る疑問はリリース時期だ。ちなみに,Office 14の製品名が「Office 2010」になるといううわさが流れている。このあたりにヒントがありそうだ。

Take2:SunのLSI設計者がMicrosoftに入社

 米Microsoftは2009年4月第2週,米Sun MicrosystemsでLSI設計を担当していたMarc Tremblay氏を雇い入れた。Microsoftから2009年中にレイオフされることになっている5000人は,このニュースで胸をなで下ろしたはずだ(関連記事:Microsoftの10~12月決算は11%減益,最大5000人を削減へ)。

 ただし,Microsoftが同氏を入社させる目的は,いろいろな理由から分かりにくい。第一,Microsoftはソフトウエア会社であってハードウエア・メーカーでない(携帯用メディア・プレーヤ「Zune」の担当者に聞いてみればわかる)。

 推測に過ぎないが,同氏はMicrosoftで並列コンピューティングを担当するのだろう。この技術は,将来のWindowsを多コア・プロセッサ上でより無駄なく動かし,仮想化機能を効率化させることにつながる。