グローバルで情報を瞬時に交換するようになった昨今では,情報システムの強みが競合他社に対する優位性に直結する。このため,ビジネス戦略に沿った攻めのIT(情報技術)投資とその投資効果を最大限に高める努力が求められる。
ところが,多くの日本企業は部門別のコスト管理を徹底しておらず,各部門の損益や生産性を正確に評価しにくくなっている。IT部門も例外ではない。これを問題ととらえた著者が,IT投資とコスト管理の課題と対策を整理したのが本書だ。
ITのコストを各部門にいかに賦課するかや,ITシステムに対する各部門の満足度の調査手法を解説している。理解を早める具体的な事例があればなお良かった。
IT投資とコストマネジメント
東山 尚著
日本情報システム・ユーザー協会監修
NTT出版発行
3990円(税込)