Windows 7ベータ版,Google App Engineプレビュー版,Visual Studio 2008 SP1,Ruby 1.9.1,Windows Azureプレビュー版――。いずれも,この1年ほどの間に登場したOSや開発環境,プログラミング言語である。記憶に強く残っているものだけを挙げてみたが,比較的変化が少ないと言われるプログラム業界においても,この1年ほどの間に,プログラマをめぐる環境は少なからず変化している。

 筆者はこの1年,日経ソフトウエアの誌面で提供してきた様々な企画を通じて,たくさんの新しい経験をさせてもらった。例えば,それまで食わず嫌いをしてきたVisual C#の入門特集「3日でわかるC#」を手がけたり,オープンソースのリレーショナル・データベース管理システムを一から取り上げた特集「必ずわかる!データベース」をまとめたりした。

 前者の例では,Visual C#の使いやすさに初めて気づくと同時に,簡単なツールを作成できるようになった。IDE(統合開発環境)はEclipseで十分と考えていた筆者にとっては,「こんなに使いやすいものがあったのか!」という新鮮な驚きを感じた。後者のPostgreSQLの例では,あまり期待していなかった付属ツールの使いやすさを実感できた。

 また,1年前に初めて経験したのが,現在のプログラマ像をより身近に感じるためのアンケート調査の実施だった。この調査結果から,プログラマの多くが「大変だけど,やりがいのある仕事」と感じていることを教えてもらった。

 著者と同じように,プログラマの皆さんも,身の回りの環境の変化に応じて,新たな経験を積んでいることだろう。そうした経験の積み重ねを教えていただくべく,今年もプログラマを対象にしたWebアンケート調査を実施することにした。あれから1年,プログラマを取り巻く環境はどのように変わり,それがどのようにアンケート結果に反映されるのだろうか。

 昨年のアンケート結果では,Windows XPユーザーが6割弱,好きな言語はC/C++が2割強といった結果が得られた。果たしてWindows Vistaのユーザーは増えたのか,C/C++の人気は不動なのか,使われている開発環境の割合に変化はあるのかなど,2009年の現時点での実態を教えていただければと期待している。

 最近1年間での環境の変化は,ソフトウエア製品や技術に関するものだけはない。特にこの半年は,厳しい経済情勢の影響がプログラマにも押し寄せていることだろう。筆者の周りにも,職を失ったり,反対に激務を強いられたりしているプログラマがいる。

 そこで,今年のWebアンケート調査では,プログラマの方々が厳しい環境にどのように打ち勝っているのか,そのヒントを教えていただくための設問も加えた。プログラマの皆さんは,何をすると元気になれたり,リラックスできたりするのだろうか。

 ちなみに筆者の場合は,温泉へ行ったり,犬と公園を散歩したりすることが,次の経験を積むための大きな力になっている。久々に温泉で休んだ後は,いつも仕事がはかどった。休日は引きこもりがちだったが,犬にせがまれて散歩に行くようになってからは気分転換がうまくなった気がする。こういう“ちょっとしたこと”でも構わないので,プログラマの皆様の元気の源を教えていただき,そのノウハウを共有できたらと考えている。

 このページからアンケートに参加していただけたら幸いです。アンケート結果は,日経ソフトウエア2009年7月号(5月23日発売)およびITproで掲載する予定です。