次期クライアントOSである「Windows 7」の開発は,どうやら順調に進んでいるもようである。米Microsoftからは製品の具体的なエディションや,組み込み向けなど派生OSの話がいろいろと出始めた。今日は,その中から新しい「Starter」エディションとモバイル版の話をお伝えしよう。

Take1:Windows 7 Starterは200ドルのネットブック専用エディションか

 米MicrosoftディレクタのMark Croft氏は英メディアTechRadarのインタビューに答え,次期クライアントOS「Windows 7」のローエンド・エディションである「Starter」エディションが,格下のネットブック専用エディションになるといううわさを一蹴(いっしゅう)した。同氏は「われわれは通常の用途では『Home Premium』エディションが主流になると予測している。この考えはパソコン・メーカーへ伝えており,ユーザーの好みに関する分析データも提供済みだ」と述べた。

 もっとも,Windows 7 Starterのメリットは価格がただ同然ということだけであり,このことはパソコン・メーカーは今よりもさらに安くネットブックを販売できるようになることを意味している(関連記事:「Windows 7」は合計6エディション,Microsoftが製品構成を発表)。

 ちなみに,同氏は発売当初の2009年ホリデー・シーズンにおける米国での価格を約200ドルからと見込んでおり,米NVIDIAのAtomプロセッサ対応プラットフォーム「Ion」採用デバイスは50ドル程度高くなると予想している。筆者の見立ても同じくらいだ。

Take2:CTIAの基調講演で「3画面」戦略を延々と説明

 MicrosoftのEntertainment & Devices 部門で責任者を務めるRobbie Bach氏は,ネバダ州ラスベガスで開催された無線関連展示会CTIA Wireless 2009の基調講演で,Windows 7と次期モバイル機器用OS「Windows Mobile 6.5」に関する素晴らしいプレゼンテーションを披露した。ただし,同社の「3画面」戦略を繰り返すことで,今後のWindowsと同戦略とのかかわり方を説明したことが最大の失敗だった。

 同氏は「今後は3つの画面が極めて重要になると考える。パソコンおよびテレビに,重要性を増しつつある携帯電話機を加えた3画面だ。さらに,この3画面は一連のクラウド対応サービス経由で結びついていく。大切なのは,ユーザーの好きな画面/デバイスで関連サービスや製品,機能をいつでも使ってもらえるようにすることだ。3画面戦略は,この目標の実現に欠かせない。当社は,目標を達成できる可能性の高い位置にいる」とした。

 同氏の言及した機能の詳細は徐々に明らかになるだろうが,この種の話題はユーザーが意識しているときに出してこそ意味があるのだ。