写真1●UCOM東京第一データセンターのサーバー・ラック
写真1●UCOM東京第一データセンターのサーバー・ラック
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 システムのトラブルというものは,往々にして突然発生する。ITエンジニアとしてはただちにマシンのそばに駆け付けたいのに,「事前に申請してください」「この書類にご記入をお願いします」などと,データセンターの入館手続きに手間取るようでは非常に不便だ。しかし,UCOMの「UCOM東京第一センター」ならその心配はない。なぜなら手続きなしで中に入れるからだ。

入館手続きに事前申請は不要

 UCOM東京第一センターでは,契約時に名前入りの入館カードを作成しておき,その際に手の甲の静脈も登録しておく。入館の際はそのカードと手の甲をセキュリティ装置にかざすだけでいい。ラックも自分で暗証番号を決めて解施錠するタイプなので,基本的にセンター側スタッフとのやりとりをしなくて済む(写真1)。これは利用する立場からすると便利だ。ただし,共連れ防止システムが設置されているので,登録者以外の人間をスルっと割り込ませるということはできない。

光回線事業者ならではの通信品質が自慢

 UCOMは,USENグループの中で光回線事業を担うために誕生した企業である。事業の特性上,顧客からデータセンターの紹介を依頼されることが多かったため,それなら自社で,と立ち上げた。

 それだけに最も自信があるのは通信回線だ。バックボーンは150Gビット/秒以上を誇り,ユーザーに1Gビット/秒以上の帯域を提供することも可能だ。コストパフォーマンスの発揮にも力を入れており,例えば100Mビット/秒の光ファイバー・インターネット接続サービス「光ビジネスアクセス」は2万3100円(税込み)から用意する。UCOMの好村公志氏(エンタープライズ営業部 IPソリューショングループ)は,「“太さ”と価格,そして可用性の合わせ技で提供するのが当社の通信品質」と胸を張る。

 しかし,必ずしも同社の通信回線を利用しなければならないわけではない。バックアップ回線などで他社回線を望むユーザーのリクエストにも柔軟に応える。これはデータセンター事業を開始した当初からの方針だという。「通信回線事業をルーツに持つデータセンターだからといって,それでユーザーをしばることは本意ではない」と,UCOMの菅原宏泰氏(エンタープライズ営業部 エキスパート)は語る。とはいえ,通信回線とセンター設備をトータルサービスで検討すれば,価格交渉の有力な材料とすることができるようだ。

 ロケーションも大きな魅力の一つだ。東京都23区内のほぼ中心にあり,アクセスは複数の駅から選択できる。1階ロビーにフリーの喫茶スペースがあり,日中なら併設のカフェやコンビニエンス・ストアも利用可能だ。

英語のネイティブ・スピーカーが常駐

 ユーザーに外資系企業が多いため,同社ではバイリンガル対応に力を入れている。英語をネイティブに話せるスタッフが24時間365日常駐しており,さまざまな問い合わせや質問に答える。海外にあるユーザー企業の本社から直接連絡が入っても,何ら問題なく受け答え可能という。こうした点も他社にはちょっとない特徴といえるだろう。

ワンモア・ポイント
 運用を担当している遠藤義人氏(iDC業務部 iDC課 シニアリーダー)は,“しゃくし定規じゃないサービスを心がけている”と語った。「“監査に必要だからラックの消費電力を見て”という要望に応えたり,来館の途中で道に迷った海外の顧客を迎えに行ったり,顧客の身になって日々現場で柔軟に対応している」(遠藤氏)。

基本情報
●名称:UCOM東京第一データセンター
●場所:東京港区虎ノ門
●最寄り駅:東京メトロ虎ノ門駅,神谷町駅,六本木一丁目駅,霞ヶ関駅
●料金:1ラック標準24万6000円/月~。(通信回線料は別)