第一生命保険が運用する2万台近い内勤者用PCは、メーカーが1社に限定されている。さらに、営業担当者が持つ5万4000台のPCは機種まで一つに絞り込んだ(表1)。徹底した標準化を推し進めることで、より徹底したPC管理を目指す。導入から移転、廃棄まで、PCのライフサイクルにかかる業務をシステム化して運用する。

表1●第一生命保険のPC運用管理業務の実態
会社名第一生命保険
PC台数内勤用が1万9000台、営業職員用が5万4000台
プラットフォーム化の手法標準化、サービス利用
効果と主な取り組みPCを徹底的に標準化し、故障対応やヘルプデスクの負荷を軽減。どのPCを使っても同じ環境で業務が続けられる
利用している主な製品/サービス内勤用は非公開、営業職員用は東芝製

 合計で7万台を超えるPCの管理は相当な業務である。日々の業務をこなすためには、徹底して効率を高める必要がある。そこで、第一生命が取ったのは、徹底した標準化とシステム化だ。PCのメーカーや機種を限定したほか、ソフトウエアの標準を規定し、イメージファイルを最低限必要の数に絞り込んだ。標準外のソフトウエアを利用したい場合は、業務部門が申請・許可を得た上で、現場でインストール作業やライセンス管理を実施する。

ID登録後にデリバリセンターから発送

 管理業務の担当部門は、内勤職員用PCと営業職員用PCで異なる。前者が、第一生命のIT企画部と情報システム子会社である第一生命情報システム、後者は、第一生命の生涯設計推進部である。それぞれで業務の委託先も異なるが、管理方針やプロセスは共通だ。

 内勤用職員用のPCは、第一生命の本社や支社などで使用するための機種である。台数が多いうえに、人事異動やレイアウト変更、拠点統廃合の機会も少なくない。そこで、管理業務をシステム化し、PCを資産として漏れなく管理する仕組みを整えている(図1)。

図1●第一生命保険は導入から移転、廃棄まで業務フローを整備し、システム化して管理する
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 具体的には、PCごとにユニークなIDを発行し、バーコード付きシールを添付する。導入時からそのPCが壊れるまで、利用者名や所属、設置場所などを、IDにひも付けてシステム上で管理する。

 PCの新規導入や移転時には、業務部門が「Lotus Notes/Domino」上のアプリケーションからその旨を申請する。すると、PCごとにIDが発行され、利用者や所属部門、場所などの情報とともに資産管理システムなどに登録される。登録が済むと、東京都内にベンダーが持つデリバリセンターから全国にPCが発送される。