Q: 上司が打ち合わせの度に大声で怒鳴ります。部下としてどう対応すればいいのでしょうか。

 私は入社9年目のネットワークエンジニアです。最近は年齢が上になったこともあり,PMを担当することもあります。

 ある社内の上司(55歳)と打ち合わせをする際に,その上司はちょっとしたことですぐに怒り出し,大声で私は叱咤されました。私からすると,そんなに怒るほど大きな問題ではないと思うのですが,打ち合わせをするたびに大声で怒鳴ります。

 このような上司の場合には,部下としてどのように対応すればいいのでしょうか。私としては,上司に納得してもらわないと仕事が先に進まないので困るのですが,相手が怒っているときにさらに私の意見をはっきりのべると,相手をさらに怒らせてしまうのではないかとも思います。アドバイスをお願いします。
(ネットワークエンジニア/女性・32歳)

A: 怒鳴る人は人間的に未熟。子供と考えて冷静に怒鳴る理由を考えよ

 確かにいますよね。よく大声で怒鳴るタイプの上司。特に中間管理職は一番ストレスがたまる地位なので,よく怒鳴るものです。しかし,それでは部下はたまったものではありません。ここは,しっかりと原因分析をして対策を考えましょう。

 大声で怒鳴る原因を,上司の問題,あなた(部下)の問題,そして両者を取り巻く環境の問題に分けてみましょう(図1)。

図1●よく怒鳴る上司の原因分析例
図1●よく怒鳴る上司の原因分析例

(1)環境

 環境が厳しいのは,この業界にいれば誰でも同じですが,会社の経営状況やあなたの仕事の状況が厳しければ,上司にもあなたにもプレッシャーがかかります。それが上司のストレスを高めていて怒鳴る原因になる場合もあります。

(2)上司

 上司が虚勢をはる性格の場合も,怒鳴ることが多いでしょう。さらに家庭など人間関係の不和や身体的問題があればなおさらです。同僚より昇進が遅れてあせっていたり,上からのプレッシャーがきつかったりして,現実にその上司の業績が悪かった場合も,ストレスが高まるでしょう。

 自分として「もっとできるはずなのに」というあせりや自分のマネジメントスタイルに関する悩みがある場合も,精神的に不安定になりがちです。「部下がついてきてくれない」とか「部下の能力がない」などと,自分の問題を部下にすり替えている場合も,精神的に不安定になります。

(3)部下

 部下の自己主張が強過ぎれば怒鳴りたくもなりますし,逆につかみどころがない性格でもいらいらするものです。引っ込み思案な性格な場合も上司からみれば何を考えているか分からないので,いらいらします。このような状況のままでは,いくら部下が仕事に充実感を覚え始めていて,「もっと頑張りたい」とか「冷静に仕事を進めたい」と思っていても,どうにもならないものです。そうなると,部下は「上司に育てられている」という思いもなくなりますし,「こんな上司とは仕事をしたくない」とか「この上司は能力がない」と思うものです。

 ここまでくるとそのような態度が部下の表情にも現れてきて,さらに上司のストレスを増すわけです。完全なネガティブサイクルですね。それではこれをポジティブサイクルに変える対策を考えてみましょう。