話題の携帯向けOS「Android」をx86パソコンで動かしてみよう皆さんはじめまして,この度ひょんな事から本稿を寄稿することになりました,ミラクルリナックスの中河宏文と申します。ミラクル・リナックスは,LinuxサーバーOSの開発,販売をメインに行っている会社で,現在のメイン・プロダクトとして「Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5」というLinuxサーバーOSを国内販売しています。私は普段,このミラクル・リナックスで,組み込み関連の開発業務を行っています。 自己紹介はこれくらいにして,早速本題に入らせていただきましょう。突然ですが皆さん,「Android」ってご存知ですか? Androidとは米Googleが2007年11月に発表し,2008年10月にオープンソースとして公開された,携帯電話向けソフトウエア・プラットフォームです。既に米国では,世界初のAndroid搭載スマートフォン「T-Mobile G1」が発売されています。Androidは今後,携帯電話に留まらず,情報家電など他の組み込み分野にも大きな影響を与える事になるでしょう。 x86CPUを搭載した「普通のパソコン」で動くこのAndroid,実は「普通のパソコン」でも動作するんです。携帯電話や組み込みなどという単語が先に出てきたので,「ああ,そういう一部の開発者向けの記事なんだな」と思った人もいるかもしれません。しかし,今回はそういう話ではなく,Windowsが動く普通のパソコンでAndroidを手軽に楽しんでみようという趣旨の企画なのです。 2008年12月,Androidの開発版ブランチである「cupcake」が発表されました。「cupcake」では様々な機能強化が行われましたが,特にその中でも目を引いた機能として「x86CPUへの対応」が挙げられます。元々Androidは,携帯電話向けソフトウエア・プラットフォームなのですが,x86CPUでも動作可能にしたことで,例えばシン・クライアントやMID(mobile internet device)など他の用途でも使われることが考えられます。 今回は,この「cupcake」ブランチを使用して,AndroidをNetbookで動かしてみましょう。代表例として,台湾ASUSTek Computer社の「EeePC701」でAndroidを動かしてみます。今回説明する導入方法さえ理解すれば,後はちょっと設定を変えたりするだけで,台湾Acerの「Aspire one」など他のNetbookや,今話題のソニー社製超小型ノートPC「VAIO type P」などさまざまなパソコンで動かせます。知り合いなどの前でカバンからサッとNetbookを取り出して,Androidをデモしてみせれば注目を集めること請け合いです。ぜひ挑戦してみてください。 手持ちのパソコンで新しいOSを動かすというと,現在パソコンに入っているOSやデータを消してしまうのかと不安に思う人もいるかもしれませんが,心配はご無用です。USBメモリーにインストールして,そこからブートさせられます。 Ubuntuパソコン経由でインストールするでは早速準備に取り掛かりましょう。用意するものは (1)512Mバイト以上の容量があるUSBメモリー (2)Ubuntu8.10 32bit版がインストールされたパソコン の2つです。 USBメモリーに関しては,今ならパソコン・ショップで1〜2Gバイト程度のUSBメモリーが数百円程度で手に入れられるので,問題ないでしょう。 一方,Ubuntu8.10がインストールされたパソコンについては,手元にないという人も多いでしょう。とても簡単に導入できるので(今入っているWindowsをそのまま残して共存させられます),Linuxを体験するという意味でもぜひこの機会にUbuntuをインストールしてみてください。 ただ,環境は用意できないけれども,とにかく今すぐに触ってみたいという人もいるでしょう。そんな人のために,今回はすぐにUSBメモリーにインストールして使えるイメージ・ファイルを用意しました(おそらく本邦初公開!です)。本記事の最後で紹介していますので,すぐに試したい人はそちらに飛んでください。
さて,上記の準備が整ったら,いよいよ作業を始めましょう。以下の作業はすべてUbuntuの端末(コンソール)上で行います。まずはビルド環境の構築のために必要なパッケージをインストールします。以下のようにコマンドを実行してください。
次に,Android専用のプロジェクト管理ツール「repo」をインストールします。repoはgit(Linuxカーネルのソースコード管理を目的として開発された,分散型バージョン管理システム)のラッパーとして動作し,Androidのソース・ツリー群を一括して管理することができます。
JDK(JAVAの開発キット)がインストールされた先を示す環境変数「JAVA_HOME」と,先ほどインストールしたrepoへのパス設定を行います。
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