今週は,米Microsoftの数ある製品群の中で「Windows Mobile」と「Silverlight」の話題を取り上げよう。iPhone対抗のZune Phoneが噂される中で,次期「Windows Mobile」がいよいよその姿を現しそうだ。また,米AdobeのAirやAcrobat対抗に対抗するSilverlightの利用状況で,Adobeとの間で小競り合いも起きている。

Take1:次期「Windows Mobile」にはZuneの影響が色濃く出る

 米Microsoftはスペインのバルセロナで開催される携帯電話関連の展示会「Mobile World Congress(MWC)2009」(現地時間2009年2月16日~19日)で,多種多様な消費者向け戦略を発表すると思われる。落ち目の「Windows Mobile」ブランドの再興戦略も公表するだろう。ところが,その直前に,次のバージョンである「Windows Mobile 6.5」のスクリーンショットが流出してしまった(関連記事:Microsoftのスマートフォン/携帯電話に関する話2題Microsoftに関するうわさの真相)。

 流出したスクリーンショットを見たところ,予想通りWindows Mobile 6.5は「Zune」用ソフトウエアの影響が色濃いものとなる。オンライン・コンテンツ販売サービス「Zune Marketplace」にまで対応する。いくつか用意されているユーザー・インタフェース(UI)のなかからZune用UIを選ぶ,といったことができそうだ。さらに,ハチの巣型の面白いUIもある。タッチスクリーン用のUIらしく,6角形の各領域にアプリケーションやコマンドが割り当ててある。

 MWCの開催が楽しみだ。

Take2:MicrosoftとAdobeが「Silverlight」で舌戦状態に

 本物の戦争をするには,「Silverlight」ユーザーだけではとても人手が足りない。

 米Adobe Systems上級副社長のMark Garrett氏は2月第2週,米Microsoftのリッチ・クライアント(RIA)表示技術である「『Silverlight』のオンライン利用状況は,2008年夏の北京オリンピック前後に幸先よく急スタートしたものの,その後「尻すぼみになった」と述べた(米NBCの北京オリンピック向けWebサイトは,映像配信にSilverlightを使っていた)。

 これに対し,Microsoftは珍しく怒りをあらわにした。MicrosoftディレクタのTim Sneath氏はブログの投稿記事で「Silverlightの健康状態は完璧だ。不安説を流すAdobeの行為は,そうなって欲しいという願望の現れである。そもそも,4カ月前にリリースしたSilverlight 2のインストール数は,最初の1カ月間に家庭パソコンだけで1億台を超えた。これが『尻すぼみ』だというなのだろうか」と書いた。

 どうやら,Silverlightユーザーは戦争ができるくらい大勢いるらしい。筆者が間違っていた。