Windows XP SP2で導入された「セキュリティ・センター」は,Windows 7で姿を消した。そして,その後任として採用されたのが「Action Center」と呼ばれる自己診断機能だ。今回は,Windows 7でセキュリティ・センターがどう変化したのか検証してみよう。

タスクバーの通知領域に旗のアイコンで常駐

図1●Windows 7のタスクバー右側の通知領域にはAction Centerの通知アイコンがある
図1●Windows 7のタスクバー右側の通知領域にはAction Centerの通知アイコンがある
インストール直後は,ウイルス対策ソフトが入っていないことを検出して「×」印がついている。
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 Windows 7をインストールした直後の状態では,タスクバーの通知領域に「×」印のついた旗アイコンが出現する(図1)。これが「Action Center」と呼ばれる通知アイコンである。このアイコンをクリックしてみると,「Find an antivirus program online(重要)」と「Open Action Center」というメッセージが表示される。

 このメッセージは,Windows 7にウイルス対策ソフトがインストールされていないことをAction Centerが検知し,「ネットでウイルス対策ソフトを探しましょうか?」と提案したものである。そこで,「Find an antivirus program online(重要)」のメッセージをクリックすると,Webブラウザが起動しWindows 7で利用できるウイルス対策ソフトを案内するサイトへ誘導される(図2)。

 この原稿を執筆している2009年2月10日の時点では,「AVG」「Kaspersky」「Symantec」の3社がWindows 7に対応しているようだ。今後このラインナップは増えていくことになるのだろう。ためしに,SymantecのNorton 360(ベータ版)を入れてみると,Action Centerのアイコンから「×」印はなくなり,単なる旗のマークになった(図3)。

図2●Action Centerで「Find an antivirus program online(重要)」をクリックするとマイクロソフトのサイトを開き,利用できるウイルス対策ソフトを案内する
図2●Action Centerで「Find an antivirus program online(重要)」をクリックするとマイクロソフトのサイトを開き,利用できるウイルス対策ソフトを案内する
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図3●ウイルス対策ソフトをインストールするとAction Centerの通知アイコンから「×」マークが消えて正常な旗マークになる
図3●ウイルス対策ソフトをインストールするとAction Centerの通知アイコンから「×」マークが消えて正常な旗マークになる
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ユーザーが対処すべき問題をまとめて通知する

図4●Action Centerのウインドウを開くとコントロール・パネルの下の「システムとセキュリティ」の中にAction Centerが含まれていることがわかる
図4●Action Centerのウインドウを開くとコントロール・パネルの下の「システムとセキュリティ」の中にAction Centerが含まれていることがわかる
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 このように,パソコンで発生する問題を検知して,ユーザーに知らせるのがAction Centerの役目だ。この通知アイコンから「Open Action Center」のメニューを選んでAction Centerのウインドウを改めて開いてみると,Action Centerがコントロール・パネルの「システムとセキュリティ」というカテゴリに属していることがわかる(図4)。

 コントロール・パネルのメニューを比べてみると,Windows Vistaでは分かれていた「システムとメンテナンス」と「セキュリティ」という2つのカテゴリが,Windows 7では1つに統合された形となる(図5図6)。そしてWindows Vistaの「セキュリティ」にあった「セキュリティ・センター」の後釜が,この「Action Center」である。これまではセキュリティに関連した問題のみをセキュリティ・センターで通知していたが,Windows 7ではAction Centerでセキュリティに関連しないシステムの問題についても検知して通知してくれるのだ。

図5●Windows Vistaのコントロール・パネルでは「システムとメンテナンス」と「セキュリティ」の2つのカテゴリに分かれている
図5●Windows Vistaのコントロール・パネルでは「システムとメンテナンス」と「セキュリティ」の2つのカテゴリに分かれている
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図6●Windows 7 では「システムとセキュリティ」というカテゴリに統合されている
図6●Windows 7 では「システムとセキュリティ」というカテゴリに統合されている
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 ちなみにこの「Action Center」という名前,2008年10月末のPDC(Professional Developers Conference)で公開されたWindows 7プレベータ版では「Solution Center」という名称だった。今回のベータ版で名前が変更になったようだ。