プロジェクト・マネージャには,さまざまな問題を解決する能力が求められます。メンバーの能力が低い、ユーザーが思い通りに動いてくれない、テストが思う通りに進まない――といったように、プロジェクトは常に問題が発生する特性を有しています。

 では,プロジェクト・マネージャが問題に対処するために何が必要でしょうか。それは,問題を深く理解してその本質をつかむことです。例えばシステム設計工程の進捗が遅れている場合、問題の原因の可能性はいくつか考えられます。メンバーの能力不足、ユーザーの協力の乏しさなどです。では,それらの原因がどうして生まれているのか。さらにその原因の原因はなぜ生まれたのか――。そうして原因を「なぜ」「なぜ」と深堀りしていくことで、問題の本質をがっちりつかめるものです。

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図●もう一歩深い理解が成功の秘訣!
芦屋 広太(あしや こうた)
システムアナリスト/IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。現場での教育、雑誌・書籍の発表、セミナー・研修に利用する。