米IP Devices代表
岸本 善一

 数万平米もの巨大データセンターを構築するには,多大な費用と時間と手間がかかる。なぜなら大規模なデータセンターは,その容量に対応した特異な電源やネットワークといった要素(コンポーネント)を必要とする。コンポーネントがコモディティ(標準品)でなければ,コストもかかるし,建設期間も長くなる。

 こうした課題を解決するため,Microsoftはコンポーネントの最小単位をコンテナ規模にすることを提唱した。このアイデアはMicrosoftだけでなく,Hewlett-Packard(HP),Sun Microsystems,IBM,Rackable Systems,Dellも同様のソリューションを提供している(写真1~3)。

 Microsoftでは,コンテナ型を第三世代のデータセンターと定義している。第一世代は電力事情や環境への配慮などを全く無視していた世代で,第二世代ではエネルギー効率を上げるために様々な工夫や技術を適用し始めた。サーバーの仮想化や,気流のコントロールなどである。

 第二世代までのデータセンターでは,コンポーネントの最小単位はサーバーなどのIT機器や電源や冷却の機器だった。これらの機器を一つひとつ吟味し,購入して,パッケージを開いて設定していく必要があり,ビジネスの変化に応じてデータセンターを拡張する場合にも,ジャスト・イン・タイムに行うことは難しかった。

 これに対し,コンテナ型データセンターのメリットは,必要に応じて迅速に拡張できること,コンパクトにまとまっているため電力・冷却効率がよいことであると,提供各社は説明する。さらにもう1つ,コンポーネントをコモディティ化することで,建設費を削減できるという。

写真1●Sun の「MD S20」
写真1●Sun の「MD S20」
写真2●HPの「POD」
写真2●HPの「POD」
写真3●Rackableの「ICE Cube」
写真3●Rackableの「ICE Cube」