日経ソフトウエア2008年6月号にて掲載した「特選フリーソフト170」をお届けします。Partごとにテーマを決めて,そのテーマに沿ったフリーソフトを最後のページでまとめて掲載しています。2008年6月号の付録DVD-ROMには一部のフリーソフトを収録したため,それに関する表記がありますが,ご容赦ください。また,「お役立ちフリーソフト一覧」でもフリーソフトを紹介しています。
※ 記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります。

せっかくコードを書いたのに,コンパイル時に「変数が宣言されていない」とか「変数の型が合わない」と文句を言われてうんざりしているそこのあなた,動的型付け言語(動的言語)を使ってみませんか? 型の扱いが柔軟な動的言語の楽しさを,Rubyで実感してみましょう。JavaやC言語のような静的言語を使いこなしている人もぜひどうぞ。

 Rubyは読みやすく,記述性の高い言語です。例えば,以下は「hello ruby!」とプリントしなさいと読めます。

 print 'hello ruby!'

次は,3回「hello!!!」とプリントしなさい,です。

 3.times { print 'hello!!!' }

 1から10までの数それぞれについて,3で割った余りが0(つまり3の倍数)ならばプリントしなさい,というのが次のコードです。

 (1..10).each{ |i| print i if i % 3 == 0}

もう一つ行きましょう。以下は「hoge.txt」というファイルを開いて読んでプリントしなさい,です。

 print open('hoge.txt'){ |file| file.read }

 こんな風に,Rubyは「人が自然に読みやすいコード」を書きやすい言語です。他の言語の経験者(特にCやJavaなどを経験している方)は少し違和感を覚えることもあるかもしれませんが,Rubyに慣れてくるにしたがって,読みやすく,書きやすいという感覚がわかることでしょう。筆者自身もJavaプログラマとしてキャリアを積んできたので,最初はRubyに違和感を覚えました。でも,現在ではすっかりRubyの虜(とりこ)になっています。他言語の経験者はもちろん,これからプログラミングを始めようとする方にもRubyはお薦めできる言語だと思います。

Rubyをインストールしよう

 ここではRubyの「One-Click Installer for Windows」(本記事でのバージョンは,「ruby186-26.exe」)に基づいて説明します(より新しいバージョンのインストール方法については,「最新開発ツール,インストール徹底ガイド」の「Part5 プログラミング言語の可能性をRubyで味わう」をご覧ください)。それを実行すれば,あとはインストール・ウィザードの「Next」ボタンをクリックしていくだけです。設定を変更する必要はないでしょう。インストールができたら,Windowsの「コマンドプロンプト」を開き*1

 ruby -v

と入力してEnterキーを押し,Rubyのコマンドを実行できるかどうかを確かめましょう。実行できない場合は,環境変数PATHの内容をチェックしてください*2図1はPATHを確認し,Rubyのバージョンを表示させ,冒頭で紹介した四つのコードを「test01.rb」などのファイルに書き込んで実行した様子です。

図1●Rubyのバージョンを確認し,簡単なプログラムを動かしてみる
図1●Rubyのバージョンを確認し,簡単なプログラムを動かしてみる
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